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乳歯の理想の歯並びとは?将来への影響もあわせて解説

  • 6月20日
  • 読了時間: 9分

医療コラム執筆者

石田 明日香(大宮区役所前歯科 歯科医師)


<この記事を監修した人>

長崎大学歯学部を卒業後、東京医科歯科大学(現 東京科学大学)で臨床研修を修了。患者さまが抱える治療への不安を深く理解できるようコミュニケーションを最も大切にし、丁寧な治療を心がけています。特に、長期的な協力が必要な矯正治療、予防歯科、小児歯科において、継続的なケアでより良い治療環境を提供できるよう尽力しています。現在は日本インプラント学会および日本在宅医療連合学会に所属し、インプラントやインビザライン矯正など幅広い治療法に高い専門知識を有しています。生涯に渡る健康維持を目指し、患者さまの悩みに応じた適切な解決策を提供します。



乳歯の歯並びは、「いずれ生え変わるから大丈夫」と思われがちですが、実は将来の永久歯の歯並びや噛み合わせに大きく影響します。


理想的な乳歯の歯列には適度なすき間があり、これが永久歯がきれいに並ぶためのスペース確保につながります。一方で、すき間がまったくない場合や大きく乱れている場合は注意が必要です。


本記事では、乳歯の理想的な歯並びの特徴と、将来への影響、歯科でのチェックが重要な理由についてわかりやすく解説します。




乳歯の理想の歯並びは?


乳歯の理想的な歯並びは、歯と歯の間に適度なすき間(発育空隙)があり、上下の前歯がバランスよくかみ合っている状態です。


乳歯は永久歯よりも小さいため、このすき間が将来の永久歯が並ぶためのスペース確保につながります。


また、上下の歯列が大きくずれておらず、噛み合わせた時に上下の前歯が切端で当たるか、上の前歯がわずかに下の前歯を覆う状態が理想です。


すき間が全くない場合やガタつきが強い場合、噛み合わせた時にすき間ができる、または大きく覆い被さるなどの場合は、将来の歯並びに影響する可能性があるため注意が必要です。


さらに反対咬合と呼ばれる、いわゆる「しゃくれ」の状態も要注意です。


乳歯の歯並びですき間が重要な理由


乳歯の歯並びにすき間があることは、将来の永久歯がきれいに並ぶためにとても重要です。


永久歯は乳歯よりも1.5倍ほど大きいため、生え変わりの際にあらかじめすき間(発育空隙)が確保されていないと、歯が並びきらずガタつきを引き起こす可能性があります。


また、十分なスペースがあることで顎の成長もスムーズに進み、噛み合わせのバランスも整いやすくなります。


乳歯列における見た目のすきっ歯は問題ないケースが多く、むしろ将来に向けた理想的な状態といえます。


乳歯の歯の生え方を年齢別に紹介


0~2歳

生後6か月頃から下の前歯が生え始め、その後上の前歯、さらに側切歯と順に生えていきます。


1歳前後で前歯がそろい、1歳半頃からは奥歯(乳臼歯)が生え始めます。


2歳頃までには犬歯も含めて本数が増え、噛む力や食べられるものの幅も広がっていきます。


生える時期には個人差がありますが、多少のずれであれば心配はいりません。 


2~4歳

2歳半〜3歳頃になると、上下合わせて20本の乳歯がほぼ生えそろい、乳歯列が完成します。


この時期は歯と歯の間に適度なすき間が見られるのが理想的で、このすき間は将来の永久歯が並ぶためのスペース確保につながります。


また、噛み合わせも安定してくるため、食事や発音の発達にも重要な役割を果たします。


4~6歳

乳歯列が安定する時期で、大きな変化は少ないものの、顎の成長が進み、永久歯への準備段階に入ります。


早い場合は5〜6歳頃から奥歯のさらに奥に「6歳臼歯」と呼ばれる永久歯(第一大臼歯)が生え始めることもあります。


この時期に歯並びの乱れやすき間の不足が見られる場合は、将来に影響する可能性があるため、歯科でのチェックを検討しましょう。


乳歯の歯並びが悪くなる原因


乳歯の歯並びは、見た目だけでなく将来の永久歯の歯列や噛み合わせにも大きく関わります。


歯並びが乱れる原因は大きく「先天的な要因」と「後天的な要因」に分けられ、それぞれが複雑に影響し合うことで歯列に変化が生じます。


乳歯の段階での小さなズレや習慣が、そのまま永久歯に引き継がれるケースもあるため、原因を正しく理解し、早い段階で気づくことが重要です。



先天的な要因

先天的な要因としては、顎の大きさや形、歯の大きさなどの骨格的な特徴が挙げられます。


例えば、顎が小さい場合は歯が並ぶスペースが不足し、歯が重なったりねじれて生えたりする原因になります。また、歯のサイズが大きい場合も同様にスペース不足が生じやすくなります。


さらに、上下の顎のどちらかが過剰に発達、または未発達であるとバランスが崩れ、出っ歯や受け口のような歯並びの不正に繋がります。


これらは遺伝の影響を受けることも多く、成長とともに徐々に現れる特徴です。 


後天的な要因

後天的な要因には、日常生活の癖や環境が大きく関わります。


代表的なものとして、指しゃぶりや舌で歯を押す癖、口呼吸などがあり、これらは歯に継続的な力をかけて歯並びを乱す原因となります。


また、虫歯によって乳歯を早期に失うと、隣の歯が移動してスペースが失われ、永久歯が正しく生える妨げになることがあります。さらに、やわらかいものばかりを食べる習慣も顎の発達を妨げる一因です。


日々の習慣を見直すことが、歯並びを守るうえで重要です。


注意が必要な乳歯の歯並び


乳歯の歯並びはある程度のすき間や軽いズレであれば問題ないことが多いですが、中には将来の永久歯や噛み合わせに影響を及ぼす可能性のあるケースもあります。


ここでは、特に注意が必要とされる代表的な歯並びの特徴について解説します。


叢生

叢生(そうせい)とは、歯が並ぶスペースが不足し、歯が重なったりねじれたりして生えている状態を指します。


乳歯の段階で叢生が見られる場合、顎の大きさに対して歯が大きい、または顎の発達が不十分である可能性が考えられます。


乳歯列ですき間がほとんどない状態も将来的に叢生につながるリスクが高いです。


永久歯は乳歯よりも1.5倍ほど大きいため、すき間のない乳歯列のまま永久歯へと移行していくと、さらにガタつきが強くなることもあり、早めに歯科で相談することが大切です。


叢生は汚れのコントロールが難しく、虫歯や歯周病の予防の観点でも矯正治療は有効です。


開咬

開咬(かいこう)は、奥歯で噛んだときに前歯が閉じず、上下の歯の間にすき間ができる状態です。食べ物を前歯で噛み切りにくいだけでなく、発音にも影響することがあります。


原因としては、長期間の指しゃぶりや舌で前歯を押す癖などが挙げられます。


これらの習慣が続くと永久歯列でも同様の歯並びの乱れが固定化されやすく、将来的に臼歯に過剰な負担がかかり、歯の寿命を縮めることにもなりかねません。


受け口

受け口(反対咬合)は、下の前歯が上の前歯より前に出ている状態で、見た目だけでなく噛み合わせのバランスにも影響します。


軽度の場合は成長とともに改善することもありますが、骨格的な要因が関係している場合は自然に治らないこともあります。


受け口は遺伝的な要素も強く、放置すると顎の成長バランスに大きく影響を与える可能性があるため、早い段階で歯科医院に相談し、経過観察や必要に応じた治療を検討することが大切です。


出っ歯

出っ歯(上顎前突)は、上の前歯や上顎が前方に出ている状態を指します。転倒時に前歯をぶつけやすいほか、口が閉じにくく口呼吸の原因になることもあります。


小児であれば指しゃぶりや唇を噛む癖などが関係する場合もあり、習慣の改善も必要になることが多いです。


また、骨格的な要因がある場合は成長に合わせた治療が必要になることもあります。早期に気づき、適切に対応することで将来の歯並びへの影響を軽減できます。


理想的な歯並びにするための乳歯矯正の方法


乳歯の段階から歯並びや噛み合わせに問題が見られる場合、将来の永久歯に備えて早期に対応することが重要です。


子どもの矯正治療は顎の成長を活かしながら進められるため、負担を抑えつつ理想的な歯列へ導ける可能性があります。


ここでは代表的な乳歯期の矯正方法についてご紹介します。


マウスピース矯正

マウスピース矯正は、透明な装置を装着して歯並びや噛み合わせを整える方法です。


取り外しが可能なため、食事や歯磨きの際に外せるというメリットがあり、衛生面でも優れています。


また、装置が目立ちにくいため、見た目が気になるお子さまにも適しています。


さらに、舌の位置や口周りの筋肉の使い方を改善するトレーニングを併用することで、歯並びが悪くなる原因そのものにアプローチできる点も特徴です。


ただし、装着時間を守る必要があるため、保護者のサポートが重要になります。


ヘッドギア

ヘッドギアは、主に上顎の成長をコントロールするために用いられる矯正装置です。


特に出っ歯(上顎前突)の改善に効果的で、上の奥歯を後方に移動させたり、上顎の過度な前方成長を抑制したりする目的で使用されます。


装置は頭部に固定して使用するため、主に自宅で決められた時間装着するケースが一般的です。


成長期の力を利用できる時期に行うことで、高い効果が期待できますが、装着時間の管理や慣れが必要なため、継続して使用できる環境づくりが大切です。


拡大装置

拡大装置は、顎の幅を広げて歯が並ぶためのスペースを確保する治療法です。


特に顎が小さく歯が並びきらない場合に有効で、将来的な叢生(ガタガタの歯並び)の予防につながります。


装置には取り外し式と固定式があり、症例に応じて使い分けられます。成長期に合わせて顎の骨に働きかけることで、自然な形で歯列を整えやすくなります。


早い段階でスペースを確保しておくことで、将来の本格的な矯正治療を回避または軽減できる可能性もあります。


乳歯の歯並びについて不安や疑問がある方は、さいたま市大宮区の大宮区役所前歯科にご相談ください


乳歯の歯並びは、将来の永久歯や噛み合わせに大きく関わる重要なポイントです。


「この歯並びで大丈夫?」「今のうちにできることはある?」といった不安や疑問がある方は、早めに歯科でチェックを受けることをおすすめします。


大宮区役所前歯科では、初回の矯正相談を無料で承っており、お子さま一人ひとりの成長段階に合わせた適切なアドバイスを行っています。


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