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乳歯の矯正は必要?いつからやるべき?メリットや矯正方法もわかりやすく解説

  • 1 日前
  • 読了時間: 8分

医療コラム執筆者

佐藤 栄美(大宮区役所前歯科 歯科医師)


<この記事を監修した人>

岩手医科大学歯学部を卒業後、東北大学歯学部で臨床研修にて習得した基礎医療に基づき、日々の診療にあたっています。患者さまが抱える不安を軽減する治療を心がけ、すべての世代の患者さまに寄り添う医療の提供を目指しています。予防歯科やインビザライン矯正などの長期的な治療においては、将来を見据えた治療計画を患者さまと一緒に考えていくことを重視しています。コラムを通して、歯の健康維持や見た目の改善、そして生涯に渡るお口の健康に関する情報を提供します。



「乳歯はいずれ永久歯に生え変わるから、矯正治療はまだ必要ないのでは?」と考える方は少なくありません。


しかし、乳歯期の歯並びや噛み合わせは、その後の永久歯の歯列や顎の成長、骨格バランスに大きく影響します。特に、受け口や強い前歯のズレなどは、早めの対応が重要なケースもあります。


本記事では、乳歯期の矯正が必要となる場合や始めるタイミング、メリットや方法についてわかりやすく解説します。




乳歯の時期に矯正は必要?

乳歯の時期でも、矯正が必要なケースがあります。


乳歯期は顎や骨格が成長途中で、永久歯が生えてくるスペースや噛み合わせの土台が形成される、重要な時期です。特に受け口や前歯の著しいズレ、顎の成長のアンバランスなどは、早めに矯正することで、成長を利用した改善が期待できます。


ただし、すべての子どもが治療を要するわけではなく、歯科医師による診断をもとに適切なタイミングを見極めることが大切です。



乳歯のうちに矯正をするメリット


顎のズレや歪みの予防につながる

乳歯期は顎や骨格が成長途中にあり、この時期に噛み合わせや歯列のバランスを整えることで、顎のズレや歪みの予防につながります。


特に受け口や前歯の噛み合わせ異常は、放置すると骨格的な問題へ発展することもあります。


成長を利用した矯正治療を行うことで、顎の正しい発育を促し、将来の永久歯の歯並びを整えやすくなるメリットがあります。


2期治療での抜歯リスクを減らせる

乳歯のうちに顎の成長を促し、永久歯が並ぶためのスペースを確保しておくことで、将来的な抜歯の可能性を減らせる場合があります。


歯列の幅を広げるなどの小児矯正を行うことで、永久歯が自然に並びやすい環境を整えられます。


すべてのケースで抜歯を避けられるわけではありませんが、早期に対応することで治療の選択肢が広がることは大きなメリットです。


歯への関心が高まる

乳歯期から矯正治療を始めることで、子ども自身が歯や口腔内の健康に関心を持つきっかけになります。


装置の装着や通院を通じて、正しい歯みがき習慣や定期的な歯科受診の大切さを学べる点も利点です。


保護者さまもお子さまの歯並びや成長に目を向けるようになり、むし歯予防や生活習慣の見直しにつながることがあります。


治療の負担が少ない

乳歯期は顎の骨がやわらかく、成長を活かした治療が行いやすいため、比較的軽い力で歯列や噛み合わせの改善を目指せます。


その結果、強い痛みを伴いにくく、装置もシンプルなものを使用するケースが多いのが特徴です。


また、将来的に本格矯正(2期治療)が必要になった場合でも、治療期間や身体的負担を軽減できる可能性があります。


乳歯矯正をするタイミング


1期治療

1期治療とは、乳歯が残っている時期から永久歯へ生え変わる途中(おおよそ5〜10歳頃)に行う小児矯正です。


この時期は顎や骨格が大きく成長するため、その成長を利用して歯列や噛み合わせの土台を整えることが目的になります。


特に受け口、著しい出っ歯、顎のズレ、永久歯が並ぶスペース不足などがある場合は、早期の対応が効果的です。装置はマウスピース型や拡大装置、ワイヤー装置など症例に応じて選択されます。


すべての子どもに必要なわけではありませんが、6〜7歳頃を目安に一度矯正歯科で相談すると、適切なタイミングを見極めやすくなります。



2期治療

2期治療は、永久歯がほぼ生えそろった後(一般的に12歳前後以降)に行う本格的な矯正治療です。


1期治療で顎の成長を整えている場合は、歯をきれいに並べる仕上げが中心となり、治療期間や抜歯を避けられる可能性があります。


一方、乳歯期に矯正を行わなかった場合でも、2期治療から開始することは可能です。ただし、骨格的なズレが強いケースでは治療の選択肢が限られることもあります。


ワイヤー矯正やマウスピース矯正など方法はさまざまで、歯並びや噛み合わせの状態に応じて治療計画を立てることが重要です。


乳歯矯正が必要な噛み合わせ


反対咬合(受け口)

反対咬合は、下の前歯が上の前歯より前に出ている状態です。乳歯期からみられることがあり、放置すると下顎の過成長を招き、骨格的なズレが強くなる場合があります。


成長期の早い段階で治療を始めることで、顎の発育バランスを整えやすくなります。


上顎前突(出っ歯)

上顎前突は、上の前歯が大きく前に突出している噛み合わせです。転倒時に前歯をぶつけやすいほか、口が閉じにくく口呼吸の原因になることもあります。


指しゃぶりなどの習癖が関係している場合もあり、早期に改善することで顎の健全な成長を促せます。


開咬

開咬は、奥歯で噛んでも前歯がかみ合わず隙間ができる状態です。発音や咀嚼に影響が出ることがあり、舌の癖や長期間の指しゃぶりが原因となることもあります。


乳歯期に習癖の改善とあわせて治療を行うことで、正常な噛み合わせへ導きやすくなります。


叢生・乱ぐい歯

叢生は、歯が並ぶスペースが不足し、歯列がでこぼこに重なっている状態です。


顎が小さいことが原因の場合、乳歯期に顎の幅を広げる治療を行うことで、永久歯が並ぶスペースを確保できる可能性があります。将来の抜歯リスク軽減にもつながります。


過蓋咬合

過蓋咬合は、上の前歯が下の前歯を深く覆い隠している噛み合わせです。強く噛み込むことで下の前歯が上顎の歯ぐきを傷つけることもあります。


成長期に噛み合わせの深さを調整することで、顎関節や歯への負担を軽減できる可能性があります。


乳歯時期の矯正方法


マウスピース矯正

小児期のマウスピース矯正は、取り外し可能な装置を一定時間装着し、顎の成長誘導や歯列の改善を目指す方法です。


比較的やわらかい力で歯や顎に働きかけるため、痛みが少ない傾向があります。食事や歯みがきの際に外せるため、口腔内を清潔に保ちやすい点もメリットです。


一方で、決められた装着時間を守る必要があり、保護者さまのサポートが重要になります。反対咬合や軽度の歯列不正などに用いられることがあります。


ワイヤー矯正

ワイヤー矯正は、歯にブラケットを装着し、ワイヤーの力で歯を動かす方法です。


乳歯期や混合歯列期では、部分的に使用されることが多く、前歯のズレや噛み合わせの改善に効果を発揮します。固定式のため装着時間を気にする必要がなく、確実に力をかけられるのが特徴です。


ただし、装置周囲に汚れがたまりやすいため、丁寧な歯みがきが欠かせません。症状によっては他の装置と併用されることもあります。


ヘッドギア

ヘッドギアは、主に上顎の成長をコントロールする目的で使用される装置です。


奥歯に装着した装置と頭部にかけるバンドを連結し、外側から力を加えます。上顎前突(出っ歯)など、上顎の前方成長が強いケースに用いられることがあります。


成長期に適切に使用することで、骨格バランスの改善が期待できますが、決められた時間の装着が必要であり、本人と保護者さまの協力が大切です。


拡大装置

拡大装置は、顎の幅を広げて永久歯が並ぶスペースを確保するための装置です。


上顎の骨は成長期に広げやすいため、この時期に行うことで効果が得られやすいとされています。


装置中央のネジを調整しながら徐々に幅を拡大します。顎のスペース不足による叢生の予防や改善に有効な場合があります。


違和感を覚えることはありますが、適切な管理のもとで行えば、将来的な抜歯リスクの軽減につながる可能性があります。


乳歯時期の矯正を検討している方は、さいたま市大宮区の大宮区役所前歯科にご相談ください


 乳歯期の矯正治療は、お子さまの成長段階や骨格バランスを見極めたうえで判断することが大切です。


「今すぐ治療が必要なのか」「様子を見てもよいのか」を正しく知るためにも、まずは専門的な診断を受けてみましょう。


さいたま市大宮区の大宮区役所前歯科では、初回の矯正相談を無料で承っております。対面でのカウンセリングはもちろん、オンライン相談にも対応しておりますので、お忙しいご家庭でも安心です。


ご予約はLINEから簡単にお取りいただけます。お子さまの将来の歯並びと健やかな成長のために、ぜひ一度ご相談ください。




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