小児矯正は意味ない?始めるべき年齢や後悔しないためのポイントをご紹介
- 石田明日香
- 6 日前
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医療コラム執筆者
石田 明日香(大宮区役所前歯科 歯科医師)
<この記事を監修した人>
長崎大学歯学部を卒業後、東京医科歯科大学(現 東京科学大学)で臨床研修を修了。患者さまが抱える治療への不安を深く理解できるようコミュニケーションを最も大切にし、丁寧な治療を心がけています。特に、長期的な協力が必要な矯正治療、予防歯科、小児歯科において、継続的なケアでより良い治療環境を提供できるよう尽力しています。現在は日本インプラント学会および日本在宅医療連合学会に所属し、インプラントやインビザライン矯正など幅広い治療法に高い専門知識を有しています。生涯に渡る健康維持を目指し、患者さまの悩みに応じた適切な解決策を提供します。
「小児矯正は意味ない」「大人になってから矯正すればいいのでは?」 お子さまを持つ保護者さまなら、一度はこんな疑問を抱いたことがあるかもしれません。歯科医院で小児矯正を勧められても、本当に必要なのか、費用や負担に見合う効果があるのか悩む方は多いでしょう。実は小児矯正は、成長期だからこそ得られる大きなメリットがあり、将来の歯並びや抜歯のリスクを左右する重要な治療です。この記事では、小児矯正は本当に意味がないのか、後悔しないためのポイントをわかりやすく解説します。

小児矯正は意味ない?
「小児矯正は意味ない」と言われることがありますが、結論から言えば、多くのケースで意味がある治療です。
小児矯正の目的は、今ある歯並びを完璧に整えることではなく、成長途中の顎や歯列をコントロールし、将来の歯並びを良くする土台を作ることにあります。
まだ顎の骨や歯列が未発達の成長期であれば、顎の幅を広げたり骨格のバランスを整えたりすることが可能なため、大人になってから矯正する場合に比べて、抜歯の必要性や治療期間を減らせる可能性があります。
最終的に成人矯正が必要になる場合でも、治療が簡単になったり、負担が軽くなったりする点を考えると、小児矯正は決して意味のない治療ではありません。
小児矯正が意味ないといわれる理由
小児矯正は本来、成長期の特性を活かして歯並びや骨格の問題を改善する有効な治療ですが、一部では「意味がなかった」「やらなければよかった」と言われることもあります。
その理由として、治療内容の理解不足、管理の問題が関係しているケースが多く見られます。ここでは、小児矯正が意味ないと感じられてしまう代表的な理由について解説します。
後戻りして再矯正が必要になった
小児矯正が意味ないと言われる理由として多いのが、「せっかく矯正したのに後戻りして、再矯正が必要になった」というケースです。
小児矯正は、永久歯がすべて生え揃う前の成長段階で行う治療のため、成長による変化や生活習慣の影響を受けやすい特徴があります。
本来小児矯正は、第一期治療として、将来の歯並びを整えやすくする土台を整える目的で行われ、その後永久歯の生え方によっては、必要に応じて第二期治療(成人矯正)を行うことがあります。
しかし、この説明が十分理解されないまま治療を始めてしまうと、「一度で終わると思っていたのにまた矯正が必要になった」=「意味がなかった」と感じてしまうのです。
また、後戻り自体は珍しいことではなく、矯正治療で動かしたすべての歯は後戻りを起こす可能性があります。
後戻りをできるだけ防ぐために、保定装置の適切な使用が欠かせません。
矯正治療の目的や意味の理解と、適切な装置の使用によって「思っていたものと違った」と後悔せずに済みます。
虫歯ができた
矯正中に虫歯ができてしまい、「矯正をしなければよかった」と後悔するケースもあります。
矯正装置を装着すると、装置が邪魔になったり、唾液の循環が悪くなったりと、どうしても虫歯のできやすい口内環境となります。
特に小児矯正では、お子さま自身での口内管理が不十分になりやすいので、保護者の方による仕上げ磨きや管理が必要不可欠です。
お子さまと保護者の方による口腔衛生管理がうまくいかず、治療途中で虫歯ができてしまうと、「歯並びを良くするために始めた矯正で、かえって歯が悪くなった」という印象を持ってしまい、小児矯正は意味ないと感じてしまうのです。
実際には、小児矯正自体が虫歯を作るわけではなく、正しいブラッシングや管理を行い、定期的な診察・メインテナンスを受けていれば、防げる問題であることがほとんどです。
不要な抜歯をされた
「小児矯正なのに抜歯をされた」という経験から、意味がなかったと感じる方もいます。
確かに、小児矯正は、顎の成長を利用して歯が並ぶスペースを確保する治療がメインであるため、抜歯を避けて治療を行うケースがほとんどです。
しかし、患者様の顎のサイズと歯牙のサイズがアンバランスである場合、小児矯正でスペース確保を試みても抜歯が必要と診断されるケースもあります。
必ずしもすべての抜歯が不必要な抜歯、というわけではありませんので、抜歯の診断を受けた場合はその必要性をきちんと理解し、疑問が残る場合は十分に歯科医師と相談する、または、他院のカウンセリングを受けて比較するようにしましょう。
抜歯の診断を受けると「小児矯正をしたのに結局抜歯が必要だった」=「意味がなかった」と感じてしまいがちですが、問題は小児矯正そのものではありません。
十分に説明を受けて治療方針などを検討しましょう。
小児矯正が必要な歯並び
小児矯正が特に効果を発揮するのは、成長期のコントロールによって改善が期待できる、歯並びや噛み合わせです。
見た目の問題だけでなく、将来の抜歯リスクや噛む機能、発音、顎の成長にも影響するため、適切な時期での判断が重要になります。
ここでは、小児矯正が必要とされる代表的な歯並びについて解説します。
叢生(そうせい)
叢生とは、歯が並ぶスペースが不足し、重なり合って生えている状態を指します。「ガタガタの歯並び」と表現されることが多く、小児矯正を検討する最も一般的なケースです。
叢生の原因の多くは、顎の大きさに対して歯が大きい、もしくは顎の成長が不足していることにあります。
成長期に小児矯正を行うことで、歯列を横に広げたり、顎の成長を促したりすることが可能です。
これにより、永久歯が正しい位置に生えるスペースを確保でき、将来的な抜歯を回避できる可能性が高まります。
放置すると重なり合った部分の歯磨きが難しくなり、虫歯や歯周病のリスクが高くなるため、見た目だけでなく健康面からも注意が必要な歯並びです。
開咬
開咬とは、奥歯を噛み合わせたときに、前歯が上下で噛み合わず隙間ができる状態です。
指しゃぶりや舌癖、口呼吸などの生活習慣が原因となることが多く、小児期に見られる代表的な不正咬合の一つです。
開咬を放置すると、食べ物を前歯で噛み切れない、発音が不明瞭になる、口が常に開きやすいといった問題が生じます。
小児矯正では、歯並びの改善だけでなく、原因となる癖の改善や顎の成長誘導を同時に行える点が大きなメリットです。
成長が終わってからの治療は難易度が上がるため、早期対応が重要とされる歯並びの一つです。
反対咬合
反対咬合は、いわゆる「受け口」と呼ばれる噛み合わせで、下の前歯が上の前歯より前に出ている状態を指します。
骨格的な要因が関係していることが多く、遺伝的な要素も大きいです。近しい血縁者に同じような噛み合わせの人がいたら、遺伝する可能性が考えられます。
この噛み合わせを放置すると、顎の成長バランスが崩れ、将来的に外科的治療が必要になるケースもあります。
小児期であれば、上顎の成長を促したり、下顎の成長をコントロールしたりすることで、噛み合わせの改善が期待できます。
特に反対咬合は、小児期を逃すと治療が難しくなる代表的な症例です。
見た目の問題だけでなく、噛む力や顎関節への影響もあるため、早めに歯科医院で診断を受けることが推奨されます。
上顎前突
上顎前突は、いわゆる「出っ歯」の状態で、上の前歯や上顎が前方に突出している歯並びです。
指しゃぶりや口呼吸、遺伝的要因などが関係していることが多く、小児期から目立ちやすい特徴があります。
上顎前突を放置すると、前歯をぶつけて折れやすくなる、口が閉じにくくなる、発音や見た目にコンプレックスを感じるなど、さまざまな問題につながります。
小児矯正では、顎の成長を利用してバランスを整えることができ、将来的な抜歯や大掛かりな矯正を避けられる可能性があります。
精神的な負担を軽減する意味でも、早期治療が有効な歯並びです。
小児矯正を行うメリット
小児矯正を行う最大のメリットは、成長期の顎の発育を利用して、歯並びや噛み合わせを改善できる点にあります。
大人になってからの矯正では難しい、顎の幅や骨格のバランス調整が可能なため、将来的に抜歯をせずに済む可能性が高まります。
また、永久歯が正しい位置に生えやすくなることで、成人矯正が不要になったり、成人矯正に移行する場合でも治療期間短縮や処置負担の軽減を期待することができます。
さらに、噛み合わせが整うことで、虫歯や歯周病の予防、発音や咀嚼機能の改善にもつながります。
発音や咀嚼機能の改善は人格や体格の形成にも大きな影響を及ぼすため、幼少期にお口周りの問題を解決しておくことは、その子の人生に大きなメリットがあると考えられます。
小児矯正は何歳から始めると効果的?
小児矯正を始めるタイミングとして一般的に多いのは、6〜10歳頃の乳歯と永久歯が混在する時期です。
この時期は顎の成長が活発で、歯が生えるスペースの確保や噛み合わせの調整がしやすいという特徴があります。
ただし、最適な開始時期は年齢だけで決まるものではなく、歯並びや顎の成長状態、噛み合わせの問題によって異なります。
また、反対咬合や開咬のような骨格性の問題は、さらに早く治療を始めた方が効果的なケースもあります。
重要なのは、「何歳だから始める」ではなく、歯並びや心身の成長状態を見た上で、お子さま一人ひとりに合った適切なタイミングを見極めることです。
小児矯正で後悔しないために
小児矯正は、正しく行えば、将来の歯並びや噛み合わせに大きなメリットをもたらしますが、準備や理解が不十分だと「意味がなかった」と後悔してしまうこともあります。
後悔しないためには、治療そのものだけでなく、保護者さまの関わり方や、治療開始のタイミングを正しく理解しておくことが重要です。
保護者の方のサポートが重要になる
小児矯正は、お子さま一人で完結する治療ではありません。
装置の使用時間を守ることや、正しい歯磨きを続けること、定期的な通院を怠らないことなど、保護者の方のサポートが治療結果に大きく影響します。
特に取り外し式の矯正装置は、装着時間が不足すると十分な効果が得られません。また、装置によって歯磨きが難しくなるため、仕上げ磨きや生活習慣の見直しも欠かせません。
家庭でのサポート体制が整っていないと、治療期間が延びたり、効果を実感できなかったりする原因になります。
様子見をせず、適切なタイミングで始めるべき
「まだ様子を見ても大丈夫」と自己判断で治療を先延ばしにした結果、成長期を逃してしまい、治療が難しくなるケースもあります。
特に、反対咬合や顎の成長に関わる問題は、小児期だからこそ改善できる可能性が高い歯並びです。
もちろん、すべてのケースで早期治療が必要なわけではありませんが、専門的な診断を受けずに自己判断で様子見を続けるのはリスクがあります。
後悔しないためには、早めに歯科医院で相談し、お子さまにとって最適な開始時期を見極めることが大切です。
小児矯正を検討している方は、さいたま市大宮区の大宮区役所前歯科にご相談ください
小児矯正を始めるべきか悩んでいる方は、ぜひ一度大宮区役所前歯科にご相談ください。
当院では、お子さま一人ひとりの成長や歯並びの状態を丁寧に確認し、本当に小児矯正が必要かどうかを分かりやすくご説明しています。
初回の矯正相談は無料で承っており、来院が難しい方にはオンライン相談も対応しています。また、LINEからのご相談やご予約も可能です。
「小児矯正は意味があるのか」「今すぐ始めるべきか迷っている」という方こそ、まずはお気軽にご相談ください。
