中学生から歯列矯正を始めるメリット4つ。矯正器具の種類や特徴を解説
- 石田明日香
- 2025年12月26日
- 読了時間: 10分
更新日:5 日前
医療コラム執筆者
石田 明日香(大宮区役所前歯科 歯科医師)
<この記事を監修した人>
長崎大学歯学部を卒業後、東京医科歯科大学(現 東京科学大学)で臨床研修を修了。患者さまが抱える治療への不安を深く理解できるようコミュニケーションを最も大切にし、丁寧な治療を心がけています。特に、長期的な協力が必要な矯正治療、予防歯科、小児歯科において、継続的なケアでより良い治療環境を提供できるよう尽力しています。現在は日本インプラント学会および日本在宅医療連合学会に所属し、インプラントやインビザライン矯正など幅広い治療法に高い専門知識を有しています。生涯に渡る健康維持を目指し、患者さまの悩みに応じた適切な解決策を提供します。
中学生から歯列矯正を始めるメリット4つ。矯正器具の種類や特徴を解説
中学生の時期は、永久歯が生えそろい顎の成長も進むため、歯列矯正を始めるベストタイミングのひとつです。
一方で、部活動や学校生活との両立、装置の見た目や痛みなど、中学生ならではの不安もあるでしょう。
本記事では、中学生から矯正を始めるメリットと注意点、マウスピース・ワイヤーなど装置の種類、治療にかかる期間や費用の目安をわかりやすく解説します。
お子さまに最適な矯正方法を検討する際の参考にしてください。

中学生から歯列矯正を始めるメリット
中学生で矯正治療を始めることには、「小学生」や「大人になってから」と比べてどんなメリットが考えられるのでしょうか。
それぞれの時期にメリットデメリットがありますが、ここでは中学生で始めるメリットとしてよく挙げられるものをご紹介いたします。
もう中学生になってしまったから遅い?や、まだ中学生だけど早いのでは?と悩んでいらっしゃる方はぜひ参考にしてみてください。
大人よりも治療期間が短く済む
中学生はまだ成長過程であるため、顎の骨や歯を支えている周囲組織が柔軟で、歯の移動が大人に比べてスムーズに進みやすいという大きな特徴があります。
治療の刺激に反応しやすい時期のため、ワイヤー矯正でもマウスピース矯正でも、大人より短い期間で治療が完了するケースが多く見られます。
また、まだ永久歯の位置が安定しきっていない段階であれば、顎の成長を利用して歯が並ぶスペースを確保しやすく、抜歯の必要性を減らせる可能性もあります。
さらに、歯周組織が柔軟であるため、矯正に伴う痛みや違和感も、大人に比べると少ない傾向があります。
中学生という成長期をうまく活用することで、負担を抑えながら効率的に治療を進められる点が大きなメリットです。
虫歯や歯周病の予防になる
中学生のうちは、永久歯が生えそろって間もないため、歯の表面がまだ成熟しておらず虫歯になりやすい時期です。
歯並びがデコボコしていたり、重なっていたりすると、歯ブラシの毛先が届きにくい部分が多くなり、プラーク(歯垢)が残りやすくなってしまいます。
矯正で歯列を整えることで、歯磨きがしやすい環境になり、虫歯や歯周病のリスクを大幅に減らせます。
また、中学生は部活動や塾などで生活が忙しく、ついケアがおろそかになりがちですが、矯正治療を始めることで歯科医院での定期的なチェックが習慣になり、口腔環境を良好に保ちやすくなります。
歯並びを整えることは、見た目の改善だけでなく、将来的な口腔トラブルの予防にもつながるという点で大きな価値があります。
小学生と比べて歯列矯正に前向きになりやすい
小学生の時期は「人と違う」ということに敏感で、矯正装置の見た目を気にしたり、「矯正の必要性」を今ひとつ理解することができず、治療に伴う痛みや違和感を嫌がったりすることが少なくありません。
一方、中学生になると自分の見た目や健康への意識が高まり、矯正の必要性・歯並びの重要性を理解しやすくなるため、矯正治療に前向きに取り組みやすい傾向があります。
マウスピース矯正のように目立ちにくい装置を選べることも、中学生が治療を受け入れやすい理由のひとつです。
また、小学生と比べて自己管理能力が上がるため、装置の取り扱いやケア、通院の必要性についても協力が得やすくなります。
矯正は数年単位で続くため、本人のモチベーションが治療の質を左右します。
中学生という自立心が芽生える時期だからこそ、治療をスムーズに進められるメリットが大きいといえます。
中学生が使用する矯正器具の種類
中学生が矯正治療を行う場合、使用することができる矯正装置にはいくつか種類があり、マウスピース矯正・ワイヤー矯正(表側・裏側・ハーフリンガル)が一般的です。
以下でそれぞれの矯正装置の特徴と使用する際のメリット・デメリットをご紹介いたします。
マウスピース矯正
マウスピース矯正は、取り外し可能な透明のマウスピース型装置を段階的に交換しながら歯を動かす方法です。
見た目がほとんど目立たないため、「装置を周りに見られたくない」という不安を軽減できます。
また、食事や歯磨きの際に取り外せるため、食事や歯磨きの不便さを感じることがありません。
食べ物が装置に挟まることもほぼなく、普段通りの口腔ケアができるため、虫歯や歯周病のリスクを抑えやすい点も大きなメリットです。
さらに、矯正装置は非常に薄くて滑らかなため、部活動などでコンタクトスポーツや合唱、吹奏楽などを行う際に邪魔になりにくいことも、選ばれる理由の一つです。
一方で、患者さまご自身で着脱を行うため、装着時間や装着方法をしっかり守る自己管理が必要で、指示された通り装着できない場合は治療が遅れる可能性があります。
また、歯並びの状態によっては、マウスピース単独での矯正が難しい場合もあります。
軽度〜中等度の歯列不正に適しており、目立ちにくさと普段の生活のしやすさから中学生に人気の高い治療方法です。
表側矯正
表側矯正は、歯の表面にブラケットとワイヤーをつけて歯を動かす、もっとも歴史が古く一般的な矯正方法です。
幅広い症例に対応でき、細かな歯の移動にも適しているため、中学生の多様な歯並びの悩みに対応しやすい点が最大の強みです。
また、ワイヤーの矯正力は強いため、歯科医師の調整によって効率的に歯を動かすことができ、比較的短い期間で治療が進みやすいというメリットもあります。
デメリットとしては、装置が目立ちやすいこと、食事中に食べ物が挟まりやすいこと、歯磨きが難しいこと、痛みや違和感が出やすいことなどが挙げられます。
特にマウスピースと比べると磨き残しが生じやすいため、虫歯や歯周病のリスクを減らすために、口腔ケアの習慣づけがより重要になります。
中学生にもなると仕上げ磨きを卒業しているお子さまが多いと思われますので、ブラッシングの技術向上が求められます。
とはいえ、信頼性の高さと適応範囲の広さから、多くの中学生に選ばれる矯正方法です。
裏側矯正
裏側矯正は、歯の裏側(舌側)にブラケットやワイヤーを取り付ける方法で、外から装置が見えないことが最大の特徴です。
見た目を気にする時期の中学生にとって、「治療していることを周囲に知られたくない」というニーズに応える矯正方法といえます。
ただし、表側矯正と比べると違和感が出やすく、特に最初のうちは舌に痛みや違和感を感じたり発音がしにくくなる場合があります。
また、装置が複雑になるため、取り扱い医院が少なく費用が高くなる傾向にあり、さらに歯磨きが難しいと感じるケースもあります。
審美性を重視しつつ、ワイヤー矯正を希望する中学生に適した治療方法です。
ハーフリンガル矯正
ハーフリンガル矯正は、上の歯には裏側矯正、下の歯には表側矯正を組み合わせた治療方法です。
上の歯は笑ったときにもっとも目立つ部分のため、裏側にすることで高い審美性を保てます。
一方、下の歯を表側矯正にすることで装置の違和感を軽減しつつ、費用を抑えることもできるため、裏側矯正のメリットと表側矯正の扱いやすさを両立した方法といえます。
装置が見えにくく中学生の心理的負担を減らせる一方、上下で異なる部位に矯正装置がつくため、慣れるまで少し時間がかかる場合があります。
また、固定されている装置周辺の歯磨きが難しいという課題は残ります。
審美性と費用のバランスを重視する中学生や保護者にとって、魅力的な選択肢です。
中学生の歯列矯正にかかる費用
中学生の歯列矯正にかかる費用は、選ぶ矯正方法や歯並びの状態によって大きく異なります。
一般的には、ワイヤー矯正で60万〜100万円前後(裏側はこれより費用が上がることが多いです)、マウスピース矯正で70万〜120万円ほどが目安とされています。
この金額は全体矯正の場合で、部分矯正を行う場合には費用は下がります。これに加えて、診断料・調整料・保定装置の費用がかかることもあります。
中学生は成長を利用した治療ができるため、追加装置や治療期間延長の回避、抜歯の回避など結果的に費用を抑えられる場合もあります。
治療計画や医院ごとに金額が異なるため、事前の相談で確認することが大切です。
中学生の歯列矯正にかかる期間
中学生の歯列矯正は、顎の成長がまだ残っているため、歯が動きやすく治療期間が比較的短く済む傾向があります。
一般的には、ワイヤー矯正で1年半~3年程度、マウスピース矯正で1年~2年半程度が目安です。
ただし、歯並びの状態や成長のスピード、装置の種類、通院頻度によっても期間は前後します。
治療後は、歯の後戻りを防ぐために保定装置を装着する必要があり、保定期間も含めるとトータルで数年間の管理が求められます。
中学生が歯列矯正をする上で確認しておきたいポイント
矯正治療を始める上で中学生ならではの注意ポイントがいくつかあります。その中でも代表的なものを以下でご説明いたします。
部活動や習い事への影響
中学生は部活動や習い事で忙しい時期ですが、矯正治療は日常生活に一定の制約が生じる場合があります。
ワイヤー矯正の場合は、コンタクトスポーツや楽器演奏で口腔内を傷つけないよう注意が必要です。
マウスピース矯正であれば、装置は薄くて滑らかなため、装着したまま運動や演奏ができます。また歯科医師と相談の上、短時間であれば外して行うことも可能ですが、患者さま自身での装着時間の管理が重要です。
また、矯正装置による痛みや違和感で、練習や授業に集中しにくくなることもあります。
治療開始前に担当医と日常生活の調整方法を相談しておくことが大切です。
受験や学業への影響
中学生は多くの方が高校受験を控えた重要な時期でもあるため、通院や矯正による生活への影響も考慮する必要があります。
ワイヤー矯正の場合は、大抵の場合1ヶ月に1回程度来院して装置の調整が必要で、通院日程を学業と調整することが重要です。
また、装置装着直後は痛みや違和感があり、食事や勉強に集中しにくい場合があります。
マウスピース矯正は、通院頻度が少なくチェアタイムも短い傾向にあるので、通院日程は調整しやすいと感じる方が多いようです。
ワイヤーに比べて痛みも少ないので、学習や試験への影響は少なめですが、装着時間を守る自己管理が求められます。
矯正治療は、試験など大切なイベントから逆算して、歯の動き方や力の掛け方を調整することが可能です。
時期がすでにわかっているイベントがあれば、治療開始前に歯科医師と相談して、学業との両立が可能なように治療計画を立てましょう。
中学生の歯列矯正を検討している方は、さいたま市大宮区の大宮区役所前歯科にご相談ください
中学生のお子さまの歯列矯正をお考えの方は、さいたま市大宮区の大宮区役所前歯科にご相談ください。
当院では、初回の矯正相談を無料で承っており、お子さまの歯並びや成長に合わせた最適な治療方法をご提案いたします。
LINEやオンライン相談にも対応しており、ご自宅から気軽にご相談可能です。
ご予約はLINEでも受け付けており、学校や部活動のスケジュールに合わせて無理なく調整できます。
安心して矯正を始められるよう、丁寧にサポートいたします。
