中学生の歯科矯正は保険適用される?適用条件と費用を抑える方法を紹介
- 5月29日
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医療コラム執筆者
小林 知輝(大宮区役所前歯科 歯科医師)
<この記事を監修した人>
大阪大学歯学部を卒業後、都内大型医療法人での臨床研修を修了。現在は日本インプラント学会に所属しており、高度な専門知識に基づいた医療情報の発信を目指しています。患者さまの話をしっかり聞くことを第一に考え、歯科治療に不安を持つ方や小さなお子さまに寄り添えるように痛みの少ない治療を心がけています。予防歯科やインビザライン矯正といった患者さまとの協力が必要な長期的な治療計画において、常に丁寧な治療を提供することで信頼に繋がればと思い、日々の診療に取り組んでいます。
中学生の歯科矯正を検討する際、最も気になるのが「保険が適用されるかどうか」ではないでしょうか。一般的に矯正治療は高額なイメージがありますが、条件によっては保険が効くケースも存在します。
この記事では、中学生の歯科矯正における保険適用の基準や、自費診療になった場合に費用負担を軽減できる「医療費控除」の仕組みについて詳しく解説します。
矯正をお考えの方はぜひ参考にしてください。

中学生の歯列矯正は保険適用される?
結論からお伝えすると、中学生の歯科矯正は原則として保険適用外の「自由診療(自費)」となります。これは、多くの矯正治療が「見た目の改善(審美目的)」とみなされるためです。
しかし、厚生労働省が定める特定の疾患や、外科手術を伴う顎変形症の治療、あるいは前歯が骨に埋まって生えてこないといった特定の症状に該当する場合は、保険診療の対象になります。
まずは自身の症状が保険の適用条件に当てはまるかどうか、専門医に相談して正しく判断することが重要です。
【前提】歯列矯正で保険適用になる条件
歯列矯正で保険が適用されるケースは、大きく分けて3つのパターンに限定されています。
先天性疾患
1つ目は「厚生労働大臣が定める先天性疾患」です。
唇顎口蓋裂(しんがくこうがいれつ)やダウン症候群など、特定の疾患に起因する咬合異常の治療は保険の対象となります。
対象となる疾患は50種類以上定められており、これらに該当する場合は指定された医療機関(自立支援医療機関)で保険診療が受けられます。
顎変形症
2つ目は「顎変形症(がくへんけいしょう)」です。
これは単なる歯並びの問題ではなく、上下の顎の骨自体の形や位置に大きな問題があり、噛み合わせに著しい支障をきたしている状態を指します。
ポイントは「顎の骨を削るなどの外科手術」を伴う矯正治療であることです。手術なしの矯正のみでは保険適用にならないため注意が必要です。
顎変形症の診断が下り、かつ手術を行う前提であれば、手術前後の矯正治療も含めて健康保険が適用されます。
前歯3歯以上の永久歯萌出不全に起因した咬合異常
3つ目は「前歯3歯以上の永久歯萌出不全に起因した咬合異常」です。
何らかの理由で、前歯(切歯および犬歯)が3本以上、骨の中に埋まったまま正常に生えてこない(埋伏歯)ことが原因で噛み合わせが悪くなっている場合です。
これによって生じる咬合異常も、一定の条件を満たし、かつ埋まった歯を引っ張り出す手術(開窓術)を伴う場合に保険が適用される可能性があります。
このように、保険適用のハードルは非常に厳格に設定されています。審美的な悩みや、軽度の噛み合わせ不全などは基本的に対象外となります。
自身のケースが該当するかどうかは、パノラマレントゲンやセファロ分析などの精密検査を行える矯正歯科で診てもらうのが確実です。
中学生の歯列矯正で保険適用されやすい歯並び
中学生の段階で保険適用の可能性を検討しやすい歯並びの具体例をご紹介します。
埋伏歯
中学生は永久歯が生えそろう時期ですが、顎のスペース不足や生える向きの異常により、永久歯が骨の中に埋まったまま生えてこないことがあります。
これが前歯3本以上にわたり、かつ噛み合わせが著しく崩れている場合、外科的に歯を牽引する処置とセットで保険適用になる場合があります。
受け口
下顎が大きく前方に突き出している状態です。
中学生になり下顎の成長が加速したことで、単に歯の傾きを変えるだけでは改善しないケースがあります。
顎の骨を外科的に移動させる手術が必要と診断される「顎変形症」であれば、保険診療の対象となります。
受け口は顔立ちの印象や滑舌にも大きく関わるため、骨格的な問題として治療を行うメリットは大きいです。
出っ歯
上の顎が極端に突出している、あるいは下顎が小さすぎて重度の出っ歯になっているケースです。
日常生活における、咀嚼や発音に支障をきたすほどの骨格的な異常があり、外科手術を併用した矯正が必要と判断されれば、保険が認められることがあります。
これらのケースに共通するのは、単なる「見た目」ではなく「骨格的な異常」や「機能的な障害」として認められるかどうかです。自分では重度の出っ歯だと思っていても、精密検査の結果、骨格に異常はなく歯の傾きだけの問題であれば保険は適用されません。
まずは矯正専門のクリニックで、骨の状態を詳しく解析してもらうことが第一歩となります。
中学生の歯列矯正は、保険適用外でも医療費控除の対象になる
中学生の矯正が保険適用外(自費)になったとしても、諦める必要はありません。「医療費控除」という制度を利用することで、支払った税金の一部が戻ってくる可能性があります。
医療費控除とは、1年間に支払った家族全員の医療費が一定額(原則10万円)を超えた場合、所得税の還付や住民税の軽減が受けられる制度です。
中学生の矯正は「成長段階にある子どもの咀嚼機能の維持に必要」と認められるケースが多いため、審美目的ではなく機能改善を目的とする場合は、基本的に控除の対象となります。
中学生の歯列矯正において、医療費控除の対象になる費用とならない費用
申請の際、何が対象になり、何がならないのかを正しく把握しておきましょう。
医療費控除の対象になる費用
矯正治療にかかる「検査・診断料」「装置代」「調整料(再診料)」はすべて対象となります。また、矯正治療のために必要と判断された抜歯費用や、並行して行った虫歯治療費も含まれます。
さらに見落としがちなのが「通院のための交通費」です。中学生の通院に付き添う保護者の交通費も、電車やバスなどの公共交通機関を利用した場合は対象になります。
治療の一環として処方された痛み止めや医薬品の購入代金も対象です。
医療費控除の対象にならない費用
一方で、自家用車で通院した際の「ガソリン代」や「駐車場代」は医療費控除の対象外です。
また、歯科医院で勧められたとしても、予防目的の「ホワイトニング」や「クリーニング」などの審美メニューは対象になりません。
さらに、ローンや分割払いで支払う際の「金利(手数料)」も対象外となるため注意が必要です。あくまで「治療そのものに直接かかった費用」が基本となります。
控除を受けるためには、歯科医院から発行される領収書が必須です。再発行できないクリニックが多いため、1年分を大切に保管しておきましょう。
中学生の歯列矯正における、医療費控除の計算方法と戻ってくる金額
医療費控除を受けることで、具体的にどれくらいの金額が戻ってくるのかを計算してみましょう。
医療費控除の計算方法
還付される金額の目安は以下の式で算出できます。
①医療費控除額 =(1年間の支払合計額-保険金などで補填された金額)- 10万円
②還付金額 = 医療費控除額(①)× 所得税率
※所得税率は年収(課税所得)に応じて5%〜45%まで変動します。また、翌年度の住民税も軽減されます。
具体的なケース
年収500万円の世帯(所得税率10%)で、1年間に合計80万円を矯正治療費として支払った場合を例にします。
控除額の計算:80万円 - 10万円 = 70万円
還付金の計算:70万円 × 10% = 7万円
この場合、確定申告を行うことで約7万円が手元に戻ってくる計算になります。
さらに、住民税の軽減額(控除額70万円 × 住民税率10% = 7万円)も合わせると、実質的な負担額は約14万円分も軽くなることになります。
治療費を一括で支払った年が最も還付額が大きくなりますが、デンタルローンを利用した場合は「ローン契約が成立した年」に全額が控除対象となります。
申告のタイミングを逃さないよう注意しましょう。
中学生の歯科矯正を検討している方は、さいたま市大宮区の大宮区役所前歯科にご相談ください
中学生の歯科矯正は、一生の健康を守るための大切な一歩です。しかし、保険適用の可否や医療費控除の活用など、費用面で不安を感じる方は少なくありません。
さいたま市の大宮区役所前歯科では、初回の矯正相談を無料で承っております。またオンラインでの矯正相談も行っております。
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