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子どものすきっ歯は自然に治る?原因と治療法を歯科医師が解説

  • 3月28日
  • 読了時間: 10分

医療コラム執筆者

石田 明日香(大宮区役所前歯科 歯科医師)


<この記事を監修した人>

長崎大学歯学部を卒業後、東京医科歯科大学(現 東京科学大学)で臨床研修を修了。患者さまが抱える治療への不安を深く理解できるようコミュニケーションを最も大切にし、丁寧な治療を心がけています。特に、長期的な協力が必要な矯正治療、予防歯科、小児歯科において、継続的なケアでより良い治療環境を提供できるよう尽力しています。現在は日本インプラント学会および日本在宅医療連合学会に所属し、インプラントやインビザライン矯正など幅広い治療法に高い専門知識を有しています。生涯に渡る健康維持を目指し、患者さまの悩みに応じた適切な解決策を提供します。


子どもの前歯にすき間があいているけれど、このままで大丈夫?」と不安に感じる保護者の方は少なくありません。


子どものすきっ歯(空隙歯列)は、成長や乳歯から永久歯への生え変わりの過程で自然に改善するケースもあります。一方で、隙間が大きい場合やかみ合わせ・発音に影響が出ている場合には、早めの治療が必要になることも。


本記事では、子どものすきっ歯の原因や経過観察の目安、治療法について歯科医師の視点でわかりやすく解説します。





すきっ歯(空隙歯列)とは?


すきっ歯とは、歯と歯の間に隙間がある歯並びのことで、歯科用語では「空隙歯列(くうげきしれつ)」といいます。


特に子どもの場合、乳歯は永久歯より小さいため隙間ができやすく、将来の永久歯が正しく並ぶために必要なスペースであることも多いです。乳歯と永久歯が混在する時期に目立ちやすいものの、成長とともに自然に埋まるケースもあります。


ただし、前歯の中央に3mm以上の隙間がある場合や、犬歯が生えそろっても閉じない場合は、矯正治療が必要になることがあります。見た目としては、笑ったときに前歯の隙間が目立つのが特徴です。

 

子どもがすきっ歯になる原因


子どもの場合、乳歯から永久歯へと生え変わる成長過程で一時的に隙間が目立つこともあり、必ずしも異常とは限りません。


しかし、隙間が大きい、なかなか閉じない、かみ合わせや発音に影響している場合には、何らかの原因が隠れている可能性があります。


ここでは、子どものすきっ歯の主な原因について解説します。

 

指しゃぶりをする癖がある

指しゃぶりの癖が長期間続くと、前歯に持続的な力がかかり、歯が前方へ押し出されやすくなります。その結果、前歯の間に隙間が生じたり、かみ合わせが乱れたりすることがあります。


3歳までの指しゃぶりは発達の面でも許容されているため様子見となりますが、4〜5歳を過ぎても頻繁に続く場合は、歯並びへの影響を考慮する必要があります。


口呼吸をしている

口呼吸の習慣があると、舌の位置が下がり、舌が前歯に当たって力をかけやすくなります。


また、唇の筋力バランスも崩れやすく、唇の筋力によって外側から歯がおさえられないため、前歯が前方に傾いて隙間ができる原因になることがあります。


慢性的な鼻づまりやアレルギーが背景にあるケースも少なくないため、口呼吸の傾向があるお子さまは一度耳鼻科にかかることも検討しましょう。


歯の本数が少ない(欠損歯)・歯が小さい

生まれつき永久歯の本数が足りない「先天性欠損歯」の場合、歯が並ぶスペースに余裕ができ、隙間が目立ちやすくなります。


また、歯そのものが小さい場合も、顎の大きさとのバランスが合わず、すきっ歯になることがあります。


歯の本数が多い(過剰歯)

通常よりも歯の本数が多い「過剰歯」があると、周囲の歯の生える位置がずれたり、前歯の間に隙間が生じたりすることがあります。


過剰歯は骨の中に埋まっていて気づかないこともあり、特に上の前歯の中央部に過剰歯があるケースでは、永久歯が正しく並ばない原因になることがあります。


上の歯が下の歯を覆っている(噛み合わせが深い)

かみ合わせが深く、上の前歯が下の前歯を大きく覆う「過蓋咬合」の状態では、下の歯の位置が制限され、歯並び全体のバランスが崩れることがあります。


その影響で前歯部に隙間が生じるケースもみられます。


奥歯がない状態を放置した

虫歯などで奥歯を失い、そのままにしておくと、周囲の歯が空いたスペースへ倒れ込んだり移動したりしてしまいます。その結果、歯列全体に隙間や乱れが生じ、前歯のすきっ歯につながることがあります。


乳歯であっても、早期に失った場合は注意が必要です。


上唇小帯に異常がある

上唇の裏側にある筋(上唇小帯)が太く、前歯の間に入り込んでいる場合、物理的に隙間が閉じにくくなります。


このようなケースでは、経過観察だけでなく、上唇小帯を切除する処置を検討することもあります。


子どものすきっ歯は自然に治る?


子どものすきっ歯は、必ずしもすぐに治療が必要とは限りません。成長や歯の生え変わりの過程で、一時的に隙間ができることは珍しくなく、自然に改善するケースも多くあります。


ただし、すべてが自然に治るわけではなく、原因や隙間の大きさによっては経過観察だけでは改善しない場合もあります。


大切なのは、年齢や歯の状態に応じて適切に見極めることです。


乳歯期のすきっ歯

乳歯が生えそろう3〜6歳頃に見られるすきっ歯は、将来生えてくる永久歯のためのスペース(霊長空隙、発育空隙と呼ばれます)であることが多く、成長の一環と考えられます。


乳歯よりも大きい永久歯が生えてくるためのスペース確保のための空隙ですので、生え変わりとともに自然に隙間が埋まっていくケースが一般的です。


この時期の軽度なすきっ歯であれば、基本的には経過観察となります。


混合歯期のすきっ歯

6〜12歳頃の混合歯期には、前歯が永久歯に生え変わるタイミングで一時的に隙間が目立つことがあります。


特に6〜8歳ごろの上の前歯の生え変わりの時期には前歯がやや八の字に生えてきてすきっ歯になることがあり、この状態は70%ほどのお子さまに見られます。


隙間は犬歯が生えてくることで押され、10〜12歳頃までに自然に閉じることが多いです。


ただし、隙間が大きい場合や過剰歯・小帯異常などが原因の場合は、自然に治らないこともあるため、歯科医院での確認が必要です。


子どものすきっ歯を放置するリスク


子どものすきっ歯は、原因によっては放置することでさまざまなリスクが生じる場合があります。


隙間の大きさやかみ合わせの状態によっては、早めの対応が望ましいケースもあるため、気になる場合は歯科医院での定期的なチェックを受けましょう。 


虫歯・歯周病になりやすい

歯と歯の間に隙間があると、一見汚れがたまりにくいように思われがちですが、実際には食べかすが挟まりやすく、歯ブラシも充分に当たらないところが多いため、清掃が不十分になりやすいです。


特にお子さまは歯磨きが上手にできない場合が多く注意が必要です。保護者の方が仕上げ磨きを充分に行わないと、虫歯や歯肉炎のリスクが高まります。


正しい発音がしにくい

前歯に大きな隙間があると、空気が漏れやすくなり、「サ行」や「タ行」などの発音が不明瞭になることがあります。


発音が不明瞭なことでコミュニケーションに支障をきたすこともあり、情緒面の成長が著しいお子さまにとっては大きな問題となることも考えられます。


成長とともに改善する場合もありますが、発音への影響が長く続く場合は歯科での相談が安心です。


噛み合わせが悪くなる

すきっ歯の原因が顎のバランスや歯の本数異常にある場合、かみ合わせ全体に影響が及ぶ可能性も考えられます。


噛む力が偏ると、将来的に顎関節や歯の摩耗など、様々な健康面で負担がかかる可能性があるため、早期の評価が大切です。


子どものすきっ歯の治療法


子どものすきっ歯で大切なのは、隙間そのものだけを見るのではなく、「なぜ隙間ができているのか」を正確に把握することです。


原因に応じた治療を行うことで、将来的な歯並びやかみ合わせのトラブルを防ぐことにつながります。



指しゃぶりや口呼吸などが原因の場合

指しゃぶりや口呼吸といった癖が原因の場合、まずはその習慣を改善することが第一歩です。生活習慣の見直しや、舌や口周りの筋肉のバランスを整えるトレーニング(口腔筋機能療法)を行うこともあります。


さらに必要に応じて、歯列の拡大装置やマウスピース型の矯正装置を使用し、歯や顎の成長をサポートしたりお口周りの筋肉バランスを整えることもあります。


すきっ歯の原因となる癖が続いたまま矯正を行っても後戻りのリスクが高いため、根本原因への対応が重要です。


上唇小帯が原因の場合

上の前歯の中央にある筋(上唇小帯)が太く、前歯の間に入り込んでいる場合は、物理的に歯と歯の隙間が閉じにくくなります。


このようなケースでは、成長を待っても改善しないことが多く、邪魔になっている小帯を切除・移動する処置を検討します。処置自体は比較的短時間で行われ、その後に矯正治療を組み合わせることで、隙間の改善を目指します。


小帯切除を行うと歯の隙間を閉じやすくなるだけでなく、上唇の可動性も高まるため、発音などの改善にも繋がることがあります。


歯の本数が多いのが原因の場合

過剰歯が存在することで前歯の隙間が生じている場合は、まずレントゲン検査で位置や本数を確認します。


永久歯の萌出を妨げている場合や歯列に悪影響を及ぼしている場合には、過剰歯を抜歯することがあります。その後、必要に応じて矯正装置を用いて歯の位置を整え、隙間を閉じていきます。


早期に発見することで、治療期間や負担を軽減できる可能性があります。


歯の本数が少ないことが原因の場合

先天的に永久歯が不足している場合、歯と歯の間にスペースが残る可能性が高くなります。この場合は、早い段階から将来を見据えた治療計画が重要です。


矯正治療で隙間を閉じて歯並びを整える方法や、成長終了後にブリッジやインプラントなどの補綴治療を検討する方法があります。


年齢や顎の成長段階によって方針が異なるため、長期的な視点で判断します。


噛み合わせが原因の場合

顎の大きさや位置のバランスに問題があり、かみ合わせが乱れていることが原因の場合は、矯正治療によって歯列全体を整える必要があります。


成長期であれば、顎の発育をコントロールする装置を使用することで、将来的な抜歯や大がかりな治療を回避できる可能性があります。


永久歯が生えそろった後は、ワイヤー矯正やマウスピース矯正などを用いて隙間やかみ合わせを整えます。



子どものすきっ歯の治療を検討している方は、さいたま市大宮区の大宮区役所前歯科にご相談ください


お子さまのすきっ歯が自然に治るのか、それとも治療が必要なのか、判断に迷われる保護者の方も多いのではないでしょうか。


すきっ歯は成長の一環である場合もありますが、原因によっては早めの対応が将来の歯並びやかみ合わせを守ることにつながります。


さいたま市大宮区の大宮区役所前歯科では、初回の矯正相談を無料で承っており、オンライン相談にも対応しています。


LINEからのご予約も可能ですので、まずはお気軽にご相談ください。




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