インビザラインで開咬は治る?開咬の原因から治療期間・費用を徹底解説
- 6月20日
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医療コラム執筆者
佐藤 栄美(大宮区役所前歯科 歯科医師)
<この記事を監修した人>
岩手医科大学歯学部を卒業後、東北大学歯学部で臨床研修にて習得した基礎医療に基づき、日々の診療にあたっています。患者さまが抱える不安を軽減する治療を心がけ、すべての世代の患者さまに寄り添う医療の提供を目指しています。予防歯科やインビザライン矯正などの長期的な治療においては、将来を見据えた治療計画を患者さまと一緒に考えていくことを重視しています。コラムを通して、歯の健康維持や見た目の改善、そして生涯に渡るお口の健康に関する情報を提供します。
開咬は、前歯が噛み合わず上下に隙間ができてしまう噛み合わせです。
見た目だけでなく、「前歯で食べ物を噛み切りにくい」「発音しづらい」といったお悩みにつながることもあります。
近年では、目立ちにくいマウスピース矯正であるインビザラインで開咬を改善するケースも増えています。
しかし、すべての開咬がインビザラインで治療できるわけではなく、歯並びや骨格の状態によってはワイヤー矯正や外科的治療が必要になる場合もあります。
この記事では、開咬の原因やインビザラインで治療できるケース、治療期間・費用の目安について詳しく解説します。

開咬(オープンバイト)とは
開咬(オープンバイト)とは、奥歯で噛んだときに上下の前歯が接触せず、隙間ができてしまう噛み合わせのことです。
前歯で食べ物を噛み切りにくくなるだけでなく、発音がしづらい、口呼吸になりやすいなど、日常生活に影響を与える場合があります。
原因としては、舌で前歯を押す癖(舌癖)や指しゃぶり、口呼吸、骨格的な問題などが挙げられます。
開咬は放置すると奥歯への負担が大きくなり、歯並びや噛み合わせが悪化することもあるため、早めの歯科相談が大切です。
開咬の原因
先天的なもの
開咬は、生まれつきの骨格や歯並びの特徴によって起こることがあります。
特に、上下の顎のバランスが崩れている場合や、下顎が後方に位置しているケースでは、前歯が噛み合いにくくなり、開咬につながることがあります。
また、遺伝的に顎が細い、歯が大きいなどの特徴があると、歯が正しい位置に並びにくくなることもあります。
骨格的な要因が強い開咬では、歯の移動だけで改善が難しいケースもあり、インビザラインだけでは十分な改善が得られない場合があります。
そのため、治療前にはセファログラムなどを用いた精密検査を行い、歯並びだけでなく骨格まで含めて診断することが重要です。
後天的なもの
後天的な原因として多いのは、舌で前歯を押す癖や口呼吸、指しゃぶりなどの日常的な習慣です。特に、飲み込むときに舌が前歯に触れる癖があると、少しずつ前歯が押し出され、噛み合わせに隙間ができやすくなります。
また、口呼吸が続くと口周囲の筋肉バランスが崩れ、歯並びや噛み合わせへ影響を与えることがあります。
さらに、奥歯の噛み合わせの乱れや歯ぎしりなどによって、開咬が悪化するケースもあります。
後天的な開咬では、矯正治療だけでなく、舌の使い方や呼吸方法などの生活習慣を改善することも、後戻りを防ぐために大切です。
開咬の治療にはインビザラインが向いている
奥歯を圧下できるため
インビザラインは、奥歯を歯ぐき方向へ少しずつ沈める「圧下」の動きが得意とされており、開咬の治療に適しています。
開咬では、奥歯が過度に伸び出していることで、前歯が噛み合わなくなっているケースがあります。このような場合、奥歯を圧下することで下顎が自然に回転し、前歯が噛み合いやすい状態へ改善できることがあります。
ワイヤー矯正では難しい細かな力のコントロールも、マウスピース矯正では比較的行いやすいのが特徴です。
また、マウスピースが歯列全体を覆うため、奥歯への不要な挺出を抑えながら治療を進めやすい点も、開咬治療に向いている理由のひとつです。
前歯を引っ込められるため
開咬の患者さまの中には、前歯が前方へ傾斜していることで、上下の歯に隙間ができているケースがあります。
インビザラインでは、前歯を後方へ引っ込める動きにも対応できるため、前歯の角度を整えながら噛み合わせを改善できる可能性があります。
特に、軽度から中等度の開咬では、歯並び全体のバランスを整えながら、自然な噛み合わせへ導けることがあります。
また、透明なマウスピースを使用するため、見た目を気にせず治療を続けやすい点もメリットです。
ただし、骨格的な問題が強い場合や重度の開咬では、ワイヤー矯正や外科的治療を併用するケースもあるため、事前の精密検査が重要です。
インビザラインで治療できる開咬の特徴
奥歯の高さ調整で改善できる開咬
インビザラインは、奥歯の高さをコントロールしながら噛み合わせを整えることが得意なため、奥歯の位置が原因となっている開咬に適しています。
例えば、奥歯が伸び出していることで前歯が噛み合わなくなっているケースでは、奥歯を少しずつ圧下することで下顎の位置が改善し、前歯の隙間を閉じられる可能性があります。
特に、歯の傾きや噛み合わせのバランスが原因となっている開咬では、マウスピース矯正でも改善が期待できます。また、歯列全体を覆う構造によって、不要な歯の移動を抑えながら治療を進めやすい点も特徴です。
ただし、症状の程度によっては補助装置を併用する場合があります。
骨格性ではない軽度~中度の開咬
インビザラインは、骨格的な問題が少ない軽度〜中等度の開咬に適した治療方法です。
例えば、舌で前歯を押す癖や口呼吸などの習慣が原因で、前歯が噛み合わなくなっているケースでは、歯の位置を整えることで改善が期待できます。
また、前歯が前方へ傾斜している場合にも、歯列全体のバランスを調整しながら、自然な噛み合わせに導ける可能性があります。
一方で、上下の顎の骨格差が大きい重度の開咬では、マウスピース矯正だけでは十分な改善が難しい場合もあります。
そのため、インビザラインで治療可能かどうかは、精密検査を行ったうえで歯並びや骨格の状態を総合的に診断することが重要です。
インビザラインで治療が難しい開咬
骨格性のもの
上下の顎の骨格差が大きい「骨格性開咬」は、インビザラインのみでの改善が難しい場合があります。
例えば、上顎と下顎のバランスに大きなズレがあるケースや、下顎が大きく後方へ回転しているケースでは、歯の移動だけでは十分な噛み合わせの改善が得られないことがあります。
このような場合は、ワイヤー矯正や外科的矯正治療を併用するケースもあります。特に重度の開咬では、見た目だけでなく咀嚼機能や発音にも影響が出るため、骨格を含めた精密な診断が重要です。
抜歯する必要があるもの
歯並びの乱れが大きく、抜歯によって歯を並べるスペースを確保する必要がある開咬では、インビザライン単独での治療が難しくなることがあります。
特に、前歯の突出が強いケースや、歯を大きく後方へ移動させる必要がある場合は、歯のコントロールが複雑になるためです。
症例によっては、ワイヤー矯正のほうが細かな歯の移動を行いやすいこともあります。
ただし、近年ではインビザラインでも抜歯症例に対応できるケースが増えており、治療の可否は歯並びや骨格、噛み合わせの状態を総合的に判断して決定します。
開咬を放置するリスク
虫歯・歯周病のリスクが高まる
開咬では前歯が噛み合わず、口呼吸になりやすい傾向があります。
口の中が乾燥すると細菌が増えやすくなり、虫歯や歯周病のリスクが高まる可能性があります。
歯の寿命が短くなる
前歯で噛めない分、奥歯へ負担が集中しやすくなります。
特定の歯に過剰な力がかかり続けることで、歯の摩耗や破折、歯周組織への負担につながる場合があります。
滑舌に影響が出る
前歯に隙間があることで空気が漏れやすくなり、「サ行」「タ行」などの発音が不明瞭になることがあります。
会話にコンプレックスを感じる原因になるケースもあります。
咀嚼がしにくく胃腸に負担がかかる
前歯で食べ物を噛み切りにくくなるため、十分に咀嚼できないまま飲み込んでしまうことがあります。
その結果、胃腸へ負担がかかりやすくなる可能性があります。
顎関節症のリスクが高まる
噛み合わせのバランスが崩れることで、顎関節や周囲の筋肉へ負担がかかりやすくなります。
放置すると、顎の痛みや口の開けづらさにつながることもあります。
インビザラインで開咬を治療するのに必要な期間
インビザラインで開咬を治療する期間は、歯並びや噛み合わせの状態によって異なりますが、一般的には1年半〜3年程度が目安とされています。
軽度の開咬であれば比較的短期間で改善できる場合もありますが、奥歯の高さ調整が必要なケースや、歯の移動量が多い症例では治療期間が長くなる傾向があります。
また、マウスピースの装着時間が不足すると計画通りに歯が動かず、治療が延びる原因になることもあります。
スムーズに治療を進めるためには、1日20〜22時間程度の装着を継続することが大切です。
インビザラインで開咬を治療するのに必要な費用
インビザラインで開咬を治療する場合の費用は、症状の程度や治療範囲によって異なりますが、一般的には60万〜100万円程度が目安です。
軽度の部分矯正で対応できるケースでは費用を抑えられる場合もありますが、奥歯の高さ調整や全体的な噛み合わせの改善が必要な症例では、治療費が高くなる傾向があります。
また、精密検査費や保定装置(リテーナー)費用、調整料が別途必要になることもあります。
治療内容や料金体系は医院ごとに異なるため、カウンセリング時に総額や追加費用の有無を確認することが大切です。
インビザラインで開咬の治療を検討している方は、さいたま市大宮区の大宮区役所前歯科にご相談ください
開咬は、見た目だけでなく、噛み合わせや発音、歯の寿命にも影響を与える可能性がある不正咬合です。
インビザラインで改善できるケースも多くありますが、骨格や歯並びの状態によって適した治療方法は異なります。そのため、まずは精密検査を行い、ご自身の歯並びに合った治療方法を知ることが大切です。
さいたま市大宮区の大宮区役所前歯科では、患者さま一人ひとりの噛み合わせやライフスタイルに合わせた矯正治療をご提案しています。
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