top of page

乳歯に隙間がないのは大丈夫?隙間がない原因や対処法、永久歯への影響を解説

10月27日
読了時間: 10分

医療コラム執筆者

石田 明日香(大宮区役所前歯科 歯科医師)


<この記事を監修した人>

長崎大学歯学部を卒業後、東京医科歯科大学(現 東京科学大学)で臨床研修を修了。患者さまが抱える治療への不安を深く理解できるようコミュニケーションを最も大切にし、丁寧な治療を心がけています。特に、長期的な協力が必要な矯正治療、予防歯科、小児歯科において、継続的なケアでより良い治療環境を提供できるよう尽力しています。現在は日本インプラント学会および日本在宅医療連合学会に所属し、インプラントやインビザライン矯正など幅広い治療法に高い専門知識を有しています。生涯に渡る健康維持を目指し、患者さまの悩みに応じた適切な解決策を提供します。


 乳歯に隙間がないと、「このままで大丈夫?」「永久歯がきれいに並ぶの?」と不安に感じる方も多いでしょう。


乳歯の隙間は、将来生えてくる永久歯のスペースを確保するうえで大切な役割があります。隙間がない場合、永久歯が並ぶスペースが不足し、叢生につながる可能性もあります。ただし、必ずしもすぐに治療が必要とは限りません。


この記事では、乳歯に隙間がない原因や永久歯への影響、受診の目安や対処法についてわかりやすく解説します。







乳歯に隙間がないのは大丈夫?


0~4歳であれば問題ない

乳歯が生えそろう0〜4歳ごろは、歯と歯の間に隙間がなくても、直ちに問題があるとは限りません。乳歯列は成長の途中にあり、顎の骨が発育するにつれて、あとから歯と歯の間に隙間が生じることがあります。


乳歯の隙間は、将来、乳歯よりも大きい永久歯が生えるためのスペースとして役立ちますが、低年齢のうちは隙間の有無だけで将来の歯並びを判断することはできません。


また、歯の大きさや顎の発育には個人差があり、同じ年齢でも隙間の程度はお子さまによって異なります。噛み合わせや顎の成長も含め、定期的に歯科医院で歯列の発育を確認し、虫歯予防とあわせて経過をみることが大切です。


5~6歳の場合は注意

一方、永久歯への生え変わりが近づく5〜6歳ごろになっても乳歯にほとんど隙間がない場合は、注意が必要です。


前歯の永久歯は乳歯よりも幅が大きいため、顎の成長や乳歯列の隙間で十分なスペースを確保できないと、永久歯が重なって生えたり、歯列からずれた位置に生えたりして、叢生と呼ばれるガタガタの歯並びになる可能性があります。


特に、すでに前歯の生え変わりが始まっているのに永久歯が並ぶスペースが少ない場合は、歯並びの状態を確認しておくと安心です。


ただし、隙間がないからといって直ちに矯正治療が必要になるとは限りません。顎の大きさや永久歯のサイズ、生え変わりの進み方などを総合的に確認して判断します。


気になる場合は、永久歯が生え始める時期を目安に歯科や矯正歯科で相談するとよいでしょう。


乳歯に隙間がない原因


顎の発育が十分ではない

乳歯に隙間がない原因の一つとして、顎の発育が十分ではないことが挙げられます。


乳歯が生えそろった後も顎は成長を続け、永久歯が生えるためのスペースが徐々に確保されていきます。しかし、顎の成長が理想より緩やかな場合には、歯列の幅が十分に広がらず、乳歯同士が隙間なく並ぶことがあります。


顎の発育には個人差があるため、隙間がないという理由だけで異常と判断することはできません。


乳歯のサイズが大きい

顎の大きさに対して乳歯そのものが大きい場合も、歯と歯の間に隙間ができにくくなります。


歯の大きさには個人差があり、比較的大きな乳歯が並んでいると、顎のスペースを多く使うため隙間のない歯列になりやすいです。


将来生えてくる永久歯も大きい場合には、永久歯が並ぶスペースが不足する可能性があるため、生え変わりの時期には歯並びを確認することが大切です。


口呼吸や舌癖がある

口呼吸や舌で歯を押すなどの舌癖も、歯並びや顎の成長に影響する可能性があります。舌や唇、頬から加わる力は、成長期の歯列や顎の発育に関係しています。


本来とは異なる位置に舌がある状態や、口が開いた状態が長く続くと、歯列の幅や噛み合わせに悪影響を及ぼし、永久歯が並ぶスペースにも関係していきます。


柔らかい食べ物が多く噛む回数が少ない

普段から柔らかい食べ物を中心に食べており、噛む回数が少ないことも、顎の発育に関係する要因の一つです。成長期には、年齢に応じた硬さの食べ物をよく噛むことで、口周りの筋肉や顎を使い刺激を受けます。


ただし、硬い物を無理に食べれば顎が大きくなるわけではありません。栄養バランスにも配慮しながら、さまざまな食材を適切に噛んで食べる習慣を身につけることが重要です。


遺伝的な要因がある

歯や顎の大きさ、骨格には遺伝的な要因も関係しています。たとえば、顎が小さい傾向や歯が大きい傾向を家族から受け継ぐと、歯が並ぶスペースが不足し、乳歯に隙間ができにくい場合があります。


ただし、歯並びは遺伝だけで決まるものではなく、成長の仕方や口腔習慣など複数の要因が関係します。将来の歯並びが心配な場合は、定期的に歯科医院で成長を確認してもらいましょう。


乳歯に隙間がないことによる将来への影響


虫歯・歯肉炎のリスクが高まる

乳歯に隙間がなく、歯と歯が密着していると、歯ブラシで歯と歯の間まで磨くのが難しくなります。そのため、歯の間に食べかすや歯垢が残りやすく、虫歯や歯肉炎のリスクが高まる可能性があります。


特に乳歯は永久歯よりもエナメル質や象牙質が薄く、虫歯が進行しやすいので注意が必要です。歯と歯の間に隙間がない場合は、仕上げ磨きに加えてデンタルフロスを活用し、歯間部を清潔に保つことが大切です。


噛み合わせがズレる

乳歯に隙間がない状態が噛み合わせのズレにつながるとは限りませんが、顎が小さく永久歯が並ぶスペースが不足している場合には、永久歯の位置がずれて噛み合わせに影響することがあります。


上下の歯が適切に噛み合わなくなると、一部の歯に負担が集中したり、食べ物を噛みにくくなったりすることがあります。乳歯の時期から噛み合わせや顎の成長を定期的に確認しておくことが重要です。


永久歯が重なって生える

乳歯よりも永久歯の方が大きいため、乳歯列に隙間がなく、顎の成長によっても十分なスペースが確保されない場合、永久歯がきれいに並ばない可能性があります。


スペースが不足すると、永久歯同士が重なったり、ねじれて生えたりする「叢生」になりやすくなります。ただし、乳歯に隙間がないからといって、必ず叢生になるわけではありません。


永久歯の大きさや顎の成長などを総合的に判断する必要があります。


永久歯の生える位置や萌出に異常が生じる

永久歯が生えるスペースが不足していると、本来とは異なる位置から永久歯が生えてくることがあります。


また、ほかの歯に進路を妨げられて生える方向が変わったり、なかなか歯ぐきから出てこなかったりするケースもあります。特に前歯や犬歯はスペース不足の影響を強く受けることがあります。


生え変わりの時期に永久歯が左右で大きく異なる位置から生えている、なかなか生えてこないといった場合は、歯科医院で確認してもらいましょう。


発音に影響が出る

乳歯に隙間がないことだけで発音に問題が生じるわけではありません。しかし、将来的に歯並びや噛み合わせが大きく乱れたり、舌の位置や動かし方に問題があったりすると、発音に影響する可能性があります。


特に、サ行やタ行などは前歯や舌の位置が発音に関係するため、歯列や噛み合わせの状態によって発音しにくさがみられることがあります。


発音の問題にはさまざまな原因があるため、気になる場合は歯科医師などの専門家に相談することが大切です。


乳歯に隙間がない場合の対処法


しっかり噛む習慣を身につける

乳歯に隙間がない場合は、成長期にしっかり噛む習慣を身につけることが大切です。


噛む動作では顎や口周りの筋肉を使うため、正しい口腔機能の発達につながります。年齢に応じて、ある程度噛み応えのある食材を取り入れ、一口ごとによく噛むことを意識しましょう。


ただし、硬い物を食べれば顎が必ず大きくなるわけではありません。無理に硬い食品を与えるのではなく、肉や野菜、根菜類などさまざまな食感の食材をバランスよく取り入れることが重要です。


また、しっかり噛めるように一口量を気をつけることも大切です。多すぎる一口量は丸呑み傾向が強くなります。


食事の際は適切な量をしっかり噛んで急いで飲み込まず、左右の歯を使う習慣を身につけるようにしましょう。


口腔周囲筋を鍛えるトレーニングを取り入れる

舌や唇、頬などの口腔周囲筋の使い方は、歯並びや噛み合わせにも関係します。舌が正しい位置に収まらず前方へ出る癖や、唇を閉じる力が弱い状態が続くと、歯列に不適切な力が加わることがあります。


そのため、必要に応じて口腔筋機能療法(MFT)などのトレーニングを取り入れることがあります。舌を適切な位置に置く練習や、唇を閉じる練習などを行い、正しい口腔機能を身につけていきます。


ただし、自己流で行うのではなく、歯科医師や歯科衛生士などの指導を受けながら進めることが大切です。


指しゃぶりや口呼吸をやめる

長期間にわたる指しゃぶりや口呼吸は、歯並びや顎の発育、噛み合わせに影響する可能性があります。


特に指しゃぶりが長く続くと、前歯が前方へ傾いたり、上下の前歯が噛み合わなくなったりすることがあります。また、口呼吸が習慣化している場合には、口が開いた状態が続き、舌や唇から歯列に加わる力のバランスが崩れることがあります。


指しゃぶりは年齢や頻度を考慮しながら徐々に改善を目指しましょう。口呼吸については、鼻炎や扁桃腺の問題などが隠れている場合もあるため、必要に応じて医療機関へ相談することも重要です。


矯正を検討する

乳歯に隙間がないからといって、すぐに矯正治療が必要になるわけではありません。ただし、顎が小さく永久歯が並ぶスペースが不足している場合や、すでに歯並びや噛み合わせに問題がみられる場合には、矯正治療を検討することがあります。


成長期のお子さまでは、顎の発育を利用して歯列の幅を広げる装置や、噛み合わせを整える装置を使用する場合があります。


治療を始める適切な時期は、歯の生え変わりや顎の成長、症状によって異なります。永久歯が生え始める5〜7歳ごろを一つの目安として矯正歯科で相談し、経過観察を含めて適切な方法を検討するとよいでしょう。



乳歯に隙間がないことが気になる方は、さいたま市大宮区の大宮区役所前歯科にご相談ください


乳歯に隙間がない場合でも、必ずしもすぐに治療が必要になるわけではありません。しかし、永久歯が並ぶスペースが不足している場合には、将来的に歯並びや噛み合わせに影響する可能性があります。


そのため、乳歯の段階から顎の成長や歯の生え変わりを確認し、適切な時期に対応することが大切です。


さいたま市大宮区の大宮区役所前歯科では、初回の矯正相談を無料で承っています。オンラインでの相談にも対応しているため、通院前に相談したい方にもおすすめです。


お子さまの乳歯の隙間や将来の歯並びが気になる方は、LINEからお気軽にご予約・お問い合わせください。





bottom of page