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小児矯正にはどんな種類がある?各装置の特徴を歯科医師が徹底解説します

2 日前
読了時間: 11分

医療コラム執筆者

石田 明日香(大宮区役所前歯科 歯科医師)


<この記事を監修した人>

長崎大学歯学部を卒業後、東京医科歯科大学(現 東京科学大学)で臨床研修を修了。患者さまが抱える治療への不安を深く理解できるようコミュニケーションを最も大切にし、丁寧な治療を心がけています。特に、長期的な協力が必要な矯正治療、予防歯科、小児歯科において、継続的なケアでより良い治療環境を提供できるよう尽力しています。現在は日本インプラント学会および日本在宅医療連合学会に所属し、インプラントやインビザライン矯正など幅広い治療法に高い専門知識を有しています。生涯に渡る健康維持を目指し、患者さまの悩みに応じた適切な解決策を提供します。


 「子どもの歯並びが気になるけれど、小児矯正にはどのような種類があるの?」「マウスピースやワイヤーなど、どの装置が合っているのかわからない」とお悩みの保護者の方も多いのではないでしょうか。


小児矯正には、顎の成長を利用して永久歯が並ぶスペースを確保する方法や、歯並び・噛み合わせを整える方法など、さまざまな種類があります。適切な治療方法は、お子さまの年齢や歯並び、顎の成長段階によって異なります。


この記事では、小児矯正の種類や各装置の特徴、メリット・デメリットについて歯科医師がわかりやすく解説します。





小児矯正で使う装置の種類


小児矯正で使用する装置は、大きく「可撤式矯正装置」「固定式矯正装置」「顎外固定装置」の3種類に分けられます。


それぞれ装着方法や目的が異なるため、お子さまの歯並びや噛み合わせ、顎の成長状態などを確認したうえで適切な装置を選択することになります。


可撤式矯正装置

可撤式矯正装置とは、お子さま自身で取り外しができる矯正装置です。代表的なものには、拡大床やプレオルソなどの機能的矯正装置、インビザラインファーストなどのマウスピース型矯正装置があります。


食事や歯磨きの際に取り外せるため、普段と同じように食事をしやすく、口腔内を清潔に保ちやすい点がメリットです。また、装置によっては顎の成長を利用したり、お口周りの筋肉のバランスを整えたりしながら、歯並びや噛み合わせの改善を目指します。


一方、決められた装着時間を守らなければ十分な効果を得られない可能性があります。お子さま本人だけでなく、保護者さまによる装着時間の管理やサポートも重要です。


固定式矯正装置

固定式矯正装置とは、歯に装置を取り付け、お子さま自身では取り外すことができない矯正装置です。代表的なものとして、歯の表面にブラケットとワイヤーを装着するワイヤー矯正や、歯列を広げるための急速拡大装置などがあります。


装置が常に口腔内に固定されているため、可撤式矯正装置のように装着時間を自己管理する必要がありません。また、装置の種類によっては、歯を細かく動かしたり、顎の幅を広げて永久歯が並ぶためのスペースを確保したりコントロールできます。


ただし、固定式装置の周囲には食べ物や汚れが残りやすいため、虫歯や歯肉炎を防ぐために丁寧な歯磨きが必要です。


顎外固定装置

顎外固定装置とは、口腔内だけでなく、頭や首などを固定源として顎の成長や奥歯の位置などをコントロールする装置です。代表的なものには、ヘッドギアや上顎前方牽引装置などがあります。


たとえば、ヘッドギアは上顎前突の場合に用いられますが、頭や首を固定源として上顎の成長をコントロールしたり、上の奥歯を後方へ移動させたりする目的で使用されることがあります。


一方、上顎前方牽引装置は、受け口の治療に用いられ、上顎の成長を前方へ促す目的などで用いられます。


これらは顎の成長を利用できる小児期だからこそ選択できる場合がある治療方法です。ただし、可撤式装置と同様に装着時間が治療効果に影響するため、ご家庭での協力も重要になります。


小児矯正で使う可撤式矯正装置の種類


可撤式矯正装置とは、お子さま自身で取り外しができる矯正装置です。食事や歯磨きの際に取り外せるため、日常生活への影響を抑えやすく、口腔内を清潔に保ちやすい特徴があります。


一方で、十分な治療効果を得るためには、歯科医師から指示された装着時間を守ることが重要です。


ここでは、小児矯正で使用される代表的な可撤式矯正装置について解説します。


拡大床

拡大床は、歯列の幅を広げることを目的とした取り外し可能な矯正装置です。


中央部分に拡大ネジが付いており、定期的にネジを回して装置を少しずつ広げることで、歯列を側方へ拡大していきます。主に、顎が狭く永久歯が並ぶスペースが不足している場合などに使用されます。


側方に歯列を広げて永久歯が並ぶスペースを確保することで、歯の重なりやガタガタとした歯並びの改善につなげられることが期待できます。また、適切に上顎を広げることで鼻の通りが良くなる効果も得られることがあります。


ただし、適応できる症例や拡大量には限界があるため、歯科医師による適切な診断が必要です。


バイオネーター

バイオネーターは、上下の顎の位置関係やお口周りの筋肉の働きを利用して、噛み合わせの改善を目指す機能的矯正装置の一つです。特に下顎が後方に位置している上顎前突(出っ歯)などに用いられることがあります。


下顎を前方へ誘導するように装着することで、成長期の顎の発育や噛み合わせの改善を図ります。


顎の成長が期待できる時期に使用することが重要であり、お子さまの成長や発達段階を考慮して治療開始のタイミングを判断します。


リップバンパー

リップバンパーは、主に下顎の歯列に使用する装置です。歯並びは唇や頬などの外側から伝わる力と舌のような内側から伝わる力のちょうど釣り合うところで決まります。


リップバンパーは唇や頬から歯に加わる力をコントロールする目的で使用され、下唇から前歯に加わる圧力を装置で遮ることで、舌から加わる力とのバランスを変化させ、歯列の拡大や永久歯が並ぶスペースの確保を図ります。


症例によっては、下顎の奥歯が前方へ移動するのを抑える目的でも使用されます。


ムーシールド

ムーシールドは、主に乳歯列期の反対咬合(受け口)の改善を目的として使用されるマウスピース型の機能的矯正装置です。


日中の数時間や就寝時などに装着し、舌や唇などのお口周りの筋肉のバランスを整えながら、正常な噛み合わせへ誘導していきます。比較的低年齢から使用できることが特徴です。


ただし、下顎の過成長など骨格的な問題が大きい場合は、ムーシールドだけでは十分な改善が得られない場合もあり、成長に合わせた継続的な経過観察が必要です。


インビザラインファースト

インビザラインファーストは、乳歯と永久歯が混在する混合歯列期のお子さまを対象としたマウスピース型矯正装置です。歯にフィットする薄くて透明なマウスピースを約1週間ごとに交換しながら、少しずつ歯を動かして歯並びや噛み合わせを整えていきます。


透明で目立ちにくく、食事や歯磨きの際には取り外すことができるため、日常生活の妨げになりにくく、固定式の装置のように凸凹していないので活発なお子さまでも装置による怪我のリスクを抑えやすいです。


インビザラインファーストでは永久歯が生えるためのスペースを確保しながら歯を移動させるなど、成長期のお子さまに合わせた治療が可能です。


一方、基本的には1日20時間程度の装着が必要となるため、お子さまが装着時間を守れるよう保護者さまのサポートが重要です。


小児矯正で使う固定式矯正装置の種類


固定式矯正装置とは、歯に装置を固定して使用する矯正装置です。


お子さま自身では取り外せないため、装着時間を管理する必要がなく、持続的に力を加えられることが特徴です。一方で、装置の周囲に汚れがたまりやすいため、治療中は丁寧な歯磨きや定期的なメインテナンスが重要です。


小児矯正で使用される代表的な固定式矯正装置には、以下のようなものがあります。


クワドヘリックス

クワドヘリックスは、装置に組み込まれたループ状のバネが緩やかに歯列を拡大させる、緩徐拡大装置です。


歯列を拡大させることで永久歯が並ぶためのスペースを確保する目的で使われます。場合によっては成人で使用されることもあります。


急速拡大装置

急速拡大装置は、上顎の幅を骨格的に広げることを目的とした固定式矯正装置です。装置の中央にある拡大ネジを決められた頻度で回すことで側方方向へ力を加え、成長期の上顎正中口蓋縫合を離開させながら上顎を拡大します。


上顎の歯列弓の幅が狭くて永久歯が並ぶスペースの確保が必要な場合や交叉咬合がみられる場合などに適応されます。


適応や拡大する量は顎の成長状態などによって異なるため、歯科医師による診断が重要です。


リンガルアーチ

リンガルアーチは、左右の奥歯にバンドを装着し、その間を歯の裏側に沿ったワイヤーでつなぐ装置です。主に奥歯の位置を維持して、永久歯が生えるためのスペースを確保する目的で使用されます。


乳歯が通常より早く抜けた場合に、周囲の歯が空いたスペースへ移動するのを防ぐ「保隙装置」として使用されることもあります。


また、ワイヤーの調整によって、一部の歯を動かしたり、噛み合わせを改善したりする目的で用いられる場合もあります。


タングガード

タングガードは、舌を前に出す癖(舌突出癖)などを改善するために使用される装置です。前歯の裏側付近に柵状のワイヤーなどを設置し、舌が前歯を押したり、上下の前歯の間に入り込んだりするのを防ぎます。


舌突出癖は、開咬などの歯並び・噛み合わせの乱れに関係するため早めの改善が求められます。タングガードによって舌の位置を改善することで、歯並びや噛み合わせに悪影響を与える力を減らすことを目指します。


ただし、装置だけでなく、必要に応じて舌や口腔周囲筋のトレーニング(MFT)を併用することもあります。


小児矯正で使う顎外固定装置の種類


顎外固定装置とは、口腔内の装置だけでなく、頭や顔、首などを固定源として、顎の成長方向や歯の位置をコントロールする矯正装置です。


成長期のお子さまの顎の発育を利用できることが特徴で、上下の顎の位置関係に問題がある場合などに使用されます。


ただし、お子さま自身で取り外せるものが多く、十分な効果を得るためには歯科医師から指示された装着時間を守ることが大切です。


上顎前方牽引装置

上顎前方牽引装置は、上顎の成長を前方へ促すことを目的とした装置です。「フェイスマスク」と呼ばれることもあります。


額と顎などを固定源とし、口腔内の装置にゴムをかけて上顎を前方へ牽引します。主に、上顎の成長が十分でないことによる反対咬合(受け口)の改善に用いられます。


チンキャップ

チンキャップは、下顎の先端部分と頭部に装置を装着し、下顎に力を加える顎外固定装置です。主に下顎の前下方への成長が強い反対咬合などに対して、下顎の成長方向をコントロールする目的で用いられてきました。


ただし、骨格的な反対咬合は成長とともに変化する可能性があり、チンキャップの適応については慎重な判断が必要です。お子さまの骨格や成長状態を確認しながら治療方針を決定します。


ヘッドギア

ヘッドギアは、頭部や首を固定源として、主に上顎の成長や上顎の奥歯の位置をコントロールする装置です。上顎の成長が強い上顎前突(出っ歯)の改善や、上の奥歯が前方へ移動するのを抑えて永久歯が並ぶスペースを確保する目的などで使用されます。


基本的に自宅で一定時間装着するため、治療効果を得るには装着時間を守ることが重要です。使用目的や必要な装着時間は、お子さまの歯並びや顎の成長状態によって異なります。



小児矯正の種類でお悩みの方は、さいたま市大宮区の大宮区役所前歯科にご相談ください


小児矯正には、様々な装置があり、それぞれ目的や特徴が異なります。どの装置が適しているかは、お子さまの歯並びや噛み合わせだけでなく、年齢や永久歯への生え変わり、顎の成長状態などによっても異なります。


そのため、「どの種類の矯正装置を選べばよいかわからない」という場合は、まず歯科医院で相談することが大切です。


大宮区役所前歯科では、初回の矯正相談を無料で承っております。オンラインでのご相談にも対応しており、LINEからご予約いただけます。


お子さまの歯並びや噛み合わせが気になる方は、適切な治療時期を逃さないためにも、まずはお気軽にご相談ください。






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