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インビザライン矯正で親知らずは抜くべき?抜歯が必要なケースやメリットを解説

8月29日
読了時間: 12分

医療コラム執筆者

石田 明日香(大宮区役所前歯科 歯科医師)


<この記事を監修した人>

長崎大学歯学部を卒業後、東京医科歯科大学(現 東京科学大学)で臨床研修を修了。患者さまが抱える治療への不安を深く理解できるようコミュニケーションを最も大切にし、丁寧な治療を心がけています。特に、長期的な協力が必要な矯正治療、予防歯科、小児歯科において、継続的なケアでより良い治療環境を提供できるよう尽力しています。現在は日本インプラント学会および日本在宅医療連合学会に所属し、インプラントやインビザライン矯正など幅広い治療法に高い専門知識を有しています。生涯に渡る健康維持を目指し、患者さまの悩みに応じた適切な解決策を提供します。


「インビザライン矯正を始める前に親知らずは抜いたほうがいいの?」「親知らずがあると治療できない?」と疑問に思う方も少なくありません。


結論からいうと、親知らずがあるからといってインビザライン矯正ができないわけではありません。ただし、親知らずの生え方や位置、歯並びの状態、治療計画によっては、抜歯が必要になるケースもあります。


この記事では、インビザライン矯正で親知らずの抜歯が必要なケース・不要なケース、それぞれの判断基準や抜歯するメリット、適切なタイミングについてわかりやすく解説します。





インビザライン矯正で親知らずの抜歯は必要?


インビザライン矯正を検討している方の中には、「親知らずは必ず抜かなければならないの?」と不安に思う方もいるでしょう。


結論として、インビザライン矯正では親知らずの抜歯が必須というわけではありません。抜歯が必要かどうかは、親知らずの生え方や位置、歯並びへの影響、そして矯正治療の計画によって判断されます。


親知らずとは、前から数えて8番目に生える永久歯で、「第三大臼歯」とも呼ばれます。一般的には大体17歳以降頃に上下左右の一番奥に生えてきますが、生えない方や、歯ぐきの中に埋まったままの方、形が歪な方など様々です。


まっすぐ正常に生えていて歯並びや噛み合わせに影響がなければ、そのまま残してインビザライン矯正を行えるケースもあります。


大切なのは、事前の精密検査で親知らずの状態を確認し、一人ひとりに適した治療方針を立てることです。


インビザライン矯正で親知らずの抜歯をしたほうが良いケース


インビザライン矯正では、すべての方が親知らずを抜歯する必要があるわけではありません。しかし、親知らずの状態によっては、治療をスムーズに進めるために抜歯が推奨されるケースがあります。


ここでは、親知らずの抜歯を検討したほうが良い代表的なケースをご紹介します。


他の歯を圧迫している

親知らずが手前の歯を強く押している場合は、抜歯を検討します。特に、歯ぐきの中に埋まった親知らずや斜めに生えている親知らずは、隣の歯を圧迫しやすく、歯並びや噛み合わせに悪影響を与える可能性があります。


インビザライン矯正では、治療計画に沿って少しずつ歯を移動させます。親知らずが移動の妨げになると、予定どおりに歯が動きにくくなることもあるため、事前に抜歯したほうが治療を進めやすいケースがあります。


親知らずが虫歯・智歯周囲炎を起こしている

親知らずが虫歯になっていたり、智歯周囲炎と呼ばれる炎症を繰り返していたりする場合も、抜歯が推奨されます。


親知らずは一番奥にあり、人によっては生え切らないまま途中で止まっていたり、生えてきていることに気づいていないこともあります。そのため、歯ブラシが届きにくく、汚れがたまりやすくなってしまいます。


汚れがたまって不衛生な状態が続くと、虫歯や歯ぐきの腫れ、痛みなどのトラブルが起こる智歯周囲炎を起こしたり、虫歯になったりします。


親知らずは奥まっていて精密な治療が難しいため、虫歯になった場合は治療を行うのではなく抜歯が適切と判断されることが多くあります。矯正治療中はマウスピースを長時間装着するため、お口の中を清潔に保つことがより重要になります。


炎症や虫歯を放置すると矯正治療に支障をきたすこともあるため、症状がある場合は事前に抜歯を検討することがあります。



親知らずが原因で噛み合わせに問題が起きている

親知らずが正常に噛み合っていなかったり、一部だけ伸びて対合する歯を傷つけたりしている場合も、抜歯が望ましいケースです。


例えば、上下どちらか一方にしか親知らずが生えていないと、噛み合う相手がいない歯が伸び続ける「挺出」が起こることがあります。


また、親知らずが原因で奥歯の噛み合わせのバランスが崩れると、インビザライン矯正で目指す理想的な噛み合わせの実現が難しくなる場合もあります。


噛み合わせの安定は矯正治療の重要な目的の一つであるため、親知らずが悪影響を及ぼしている場合は抜歯を選択することがあります。


歯を動かすスペースを確保する必要がある

歯並びの状態によっては、歯をきれいに並べるためのスペースを確保する必要があります。


歯を並べるためにスペースを作る必要がある場合、歯の表面をわずかに削るIPR(ディスキング)や歯列の拡大、遠心移動、抜歯などを組み合わせてスペースを確保していきます。


遠心移動を行う場合には最後方に親知らずがあると、奥歯を充分に動かすことが難しくなるため、親知らずを抜いた上で動かしていきます。


歯を後方へ移動させる治療計画や、奥歯を効率よく動かしたいケースでは、親知らずを抜歯することで歯の移動を妨げる要因を取り除き、治療計画通りに動かしていきやすくなることがあります。


親知らずを抜いただけで、スペースの確保が十分になることは少なく、様々な処置を組み合わせることがほとんどではありますが、遠心移動を選択肢に入れることで治療計画の幅は広がるといえるでしょう。


親知らずが傾いて生えている

親知らずが横向きや斜め向きに生えている場合は、将来的なトラブルを予防する目的で抜歯を勧められることがあります。


傾いた親知らずは、隣の歯との間に汚れがたまりやすく、虫歯や歯周病、智歯周囲炎の原因になりやすいだけでなく、歯列への悪影響や歯の移動を妨げる要因にもなります。


また、現在は症状がなくても、矯正治療中や治療後に腫れや痛みが生じる可能性もあります。特に、矯正治療中に痛みがでて処置が必要になると、矯正治療を中断しなければいけないこともあり、治療期間の延長や費用の追加にも繋がります。


安心してインビザライン矯正を進め、治療後の歯並びを長く維持するためにも、精密検査でリスクが高いと判断された場合は、事前に親知らずの抜歯を行うことがあります。


インビザライン矯正で親知らずの抜歯が必要ないケース


インビザライン矯正では、親知らずがあるからといって必ず抜歯を行うわけではありません。親知らずが歯並びや治療計画に大きな影響を与えないと判断された場合は、抜歯せずに矯正治療を進められるケースも多くあります。


ここでは、親知らずの抜歯が必要ない代表的なケースをご紹介します。


親知らずが歯並びに影響を与えていない

親知らずがまっすぐ正常に生えており、隣の歯を圧迫したり歯列を乱したりしていない場合は、抜歯せずにインビザライン矯正を行えることがあります。


また、歯ぐきや顎の骨の中に埋まっている親知らずであっても、周囲の歯や歯並びに悪影響を及ぼしていなければ、経過観察とすることは多いです。


虫歯や智歯周囲炎などのトラブルもなく、将来的なリスクが低いと判断された場合は、あえて抜歯を行わずに治療を進めることもあります。


矯正治療では、治療開始前にレントゲンやCTなどによる精密検査を行い、親知らずの位置や状態を詳しく確認したうえで、抜歯の必要性を総合的に判断します。


奥歯を動かす必要がない

インビザライン矯正の治療計画によっては、奥歯を大きく移動させる必要がないケースがあります。


例えば、前歯の軽度なガタつきやすき間を整えることが主な目的であれば、歯の移動は前歯に現局して行われることが多く、親知らずが治療の妨げにならない場合があります。


このようなケースでは、親知らずを残したままでも予定どおりに歯を動かせるため、抜歯を行わずに治療を進めることが可能です。


もちろん、清掃不良になりやすい形状や生え方で、治療中に親知らずが問題を起こす可能性がある場合は対応が必要ですが、現在の状態と治療計画の両方を踏まえて問題がないと判断されれば、無理に抜歯する必要はありません。


IPRでスペースを確保できる

歯をきれいに並べるためのスペースが必要な場合でも、IPR(ディスキング)によって十分なスペースを確保できるケースでは、親知らずの抜歯が不要となることがあります。


IPRとは、歯の表面のエナメル質をごくわずかに削り、歯と歯の間に少しだけスペースを作る処置です。削る量は0.2〜0.5mm程度とわずかで、歯の健康に十分配慮した範囲で行われます。


軽度から中等度の歯並びの乱れであれば、IPRによって必要なスペースを確保できることが多く、親知らずを抜歯しなくても治療計画を立てられる場合があります。


歯列幅を調整できる

インビザライン矯正では、歯列をわずかに横へ広げる「歯列の拡大」によってスペースを確保できるケースもあります。


歯を無理に外側へ倒すのではなく、一人ひとりの骨格や歯槽骨の範囲を考慮しながら歯列全体の幅を調整することで、歯をきれいに並べるためのスペースを確保します。


そのため、軽度の叢生(歯の重なり)であれば、親知らずを抜歯しなくても対応できる可能性があります。


ただし、歯列の拡大には限界があり、すべての症例に適応できるわけではありません。歯並びの状態や顎の大きさ、治療後の安定性まで考慮したうえで、適切な方法が選択されます。


インビザライン矯正では、「親知らずがあるかどうか」だけで抜歯の必要性を判断することはありません。親知らずの状態に加え、歯並びや噛み合わせ、歯の移動量などを総合的に診断し、一人ひとりに適した治療計画を立てることが大切です。


インビザライン矯正で親知らずを抜歯するメリット


親知らずの状態によっては、インビザライン矯正の前や治療中に抜歯を行うことで、治療をよりスムーズに進められる場合があります。


ここでは、親知らずを抜歯する主なメリットをご紹介します。


理想の歯並びを手に入れやすくなる

親知らずが斜めに生えていたり、手前の歯を圧迫していたりする場合は、歯の移動を妨げる要因となることがあります。そのような親知らずは、抜歯することで、矯正治療の妨げが取り除かれ、治療計画どおりに歯を動かしやすくなります。


また、奥歯を後方へ移動させる治療計画では、親知らずを抜歯することで歯を動かせる範囲が広がる場合もあります。その結果、歯並びや噛み合わせをより理想的な状態へ整えやすくなり、治療の選択肢が増えることもメリットです。


後戻りが起こりにくくなる

矯正治療後は、歯が元の位置へ戻ろうとする「後戻り」が起こることがあります。


後戻りを防ぐためには保定装置(リテーナー)の装着が最も重要ですが、親知らずが歯列に悪影響を及ぼす状態で残っている場合は、歯並びの安定性に影響する可能性もあります。

特に、横向きや斜めに生えた親知らずが隣の歯を圧迫しているケースでは、矯正が終了した後に歯列へ負担をかけ、歯並びを再度乱す原因となることがあります。


そのため、矯正治療後の歯並びを長期間安定させる目的で、親知らずの抜歯が推奨されることがあります。


親知らずのトラブルのリスクを軽減できる

親知らずは歯ブラシが届きにくく、汚れがたまりやすいことから、虫歯や智歯周囲炎などのトラブルが起こりやすい歯です。特に半分だけ生えている親知らずや傾いて生えている親知らずは、歯ぐきの腫れや痛みを繰り返すことも少なくありません。


矯正治療中にこうしたトラブルが起こると、一時的に治療を中断しなければならない場合もあります。


事前にリスクの高い親知らずを抜歯しておくことで、治療期間中の急な痛みや炎症を防ぎやすくなるほか、矯正治療後も親知らずによるトラブルを心配する必要が少なくなる点も大きなメリットです。


インビザライン矯正で親知らずを抜歯するデメリット


親知らずの抜歯にはメリットだけでなく、デメリットもあります。特に横向きや歯ぐき・骨の中に埋まっている親知らずは、抜歯後に腫れや痛みが生じることが多くあります。


そのため、抜歯後数日から1週間程度は日常生活に影響が出ることが考えられます。また、難しい症例では、一般歯科では対応できず、大学病院や口腔外科で抜歯を行うケースもあります。


さらに、人によっては顎の中に通っている神経や血管と近く、それらに影響を及ぼすリスクも考えなければなりません。


抜歯の必要性やタイミング、抜歯に伴うリスクについては、事前によく歯科医師から説明を受け、理解した上で抜歯を進めることが大切です。


インビザライン矯正で親知らずを抜歯するタイミング


インビザライン矯正で親知らずの抜歯が必要と判断された場合は、多くの場合、矯正治療を開始する前に抜歯を行います。


抜歯後は痛みや腫れを引き起こす可能性があるため、治療途中に抜歯を行うとマウスピースの装着がスムーズに行えなくなる可能性があります。


事前に抜歯を済ませることで、歯の移動を妨げる要因を取り除き、治療計画どおりに矯正を進めやすくなります。


しかし一方で、治療内容によっては、インビザライン矯正を開始した後や治療の途中で抜歯を行うケースもあります。


抜歯の適切なタイミングは、親知らずの状態や歯の移動計画によって異なるため、精密検査の結果をもとに歯科医師が総合的に判断します。


インビザライン矯正で親知らずを抜くべきか知りたい方は、さいたま市大宮区の大宮区役所前歯科にご相談ください 

「親知らずは抜いたほうがいいの?」「自分の場合は抜歯が必要?」とお悩みの方は、さいたま市大宮区の大宮区役所前歯科へお気軽にご相談ください。


親知らずの抜歯が必要かどうかは、歯並びや親知らずの生え方、矯正治療の計画によって異なります。


当院では、精密検査をもとに一人ひとりのお口の状態を丁寧に診断し、患者様に適した治療計画をご提案いたします。


初回の矯正相談は無料で、オンライン相談にも対応しております。また、LINEから24時間いつでもご予約いただけます。


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